新型コロナ危機発生(2020年1-3月期)から1年半の消費を振り返ると、2020年7-9月までは、米国、日本、欧州ともに大差のない動きとなっていたが、10-12月以降、米国は回復を続け、2021年に入って以降後はコロナ危機前の水準を上回っている。一方、日本と欧州は再び悪化に転じており、二極化が顕著になった(図表1)。
図表1 日米欧の消費支出

注:欧州4カ国はドイツ・フランス・英国・イタリア。横軸は四半期を示す。
出所:Bloombergを基に、三菱総合研究所作成
出所:Bloombergを基に、三菱総合研究所作成
一方で、米国の新型コロナウイルス感染者の人口全体に対する比率は日本や欧州を上回ってきた。労働参加率に至っては、日本がほぼコロナ危機前の水準を回復しているが、米国は2021年1-3月期でもコロナ危機前(2019年10-12月期)を未だ2%近く下回っており、欧州よりも労働市場の戻りが鈍い状況だ(図表2)。ではなぜ、米国と日本・欧州の間で消費の二極化が生まれたのか。
図表2 日米欧の消費を取り巻く環境(感染状況、雇用市場)

注:欧州4カ国はドイツ・フランス・英国・イタリア。横軸は四半期を示す。
出所:CEIC、ECDCを基に、三菱総合研究所作成
出所:CEIC、ECDCを基に、三菱総合研究所作成