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転換期を迎える低インフレ時代

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2022.7.28

政策・経済センター田中嵩大

POINT

  • 足元の急激な物価上昇が終わった後も、新型コロナ危機以前の低インフレ時代には戻らない可能性。
  • 国際情勢、脱炭素、人手不足の3点が構造的な物価上昇圧要因に。
  • 構造的な物価上昇圧力の高まりを契機に、人や成長分野への投資促進を。

需給バランスの乱れから歴史的な物価上昇に

先進国で記録的な物価上昇が続いている(図表1)。米国では約40年ぶり、ユーロ圏では統計開始以来の水準、日本では消費税の増税時を除けば約30年ぶりの水準となっている※1。新型コロナ危機以前の主要先進国では、中央銀行の目標である2%を下回る物価上昇が続き、物価が上がらないことが課題であったが状況が変化している。

物価の急上昇の背景としては、需要拡大と供給制約が重なったことがある。新型コロナウイルス感染症対策として実施した財政出動や大規模金融緩和の効果に加え、経済活動の再開が進んだ先進国で需要が急回復した。一方で、供給面では新型コロナ感染拡大による海上物流の停滞や生産活動の停止、そしてウクライナ侵攻によってエネルギーや食糧の調達不足が起こり、資源価格や物流コスト、人件費などが多面的に物価を押し上げた。
図表1 日米欧の消費者物価指数(総合)
図表1 日米欧の消費者物価指数(総合)
注:直近は2022年5月。日本は、2020年8-12月と2021年8-12月はGoTo要因を除き、2021年4月-2022年3月は携帯料金引き下げ要因を除く。
出所:各国統計を基に、三菱総合研究所作成

3つの構造的な物価上昇要因

コロナ危機やウクライナ侵攻の終息時期は不透明だが、エネルギー価格や海上物流コストによる物価上昇圧力は次第に緩和していくだろう。加えて、大幅な物価上昇を懸念してFRBやECBが金融引き締め・金融緩和の縮小に舵を切ったことで需給ギャップは縮小、ディマンドプル要因による物価上昇分が剥落し、現在のような大幅な物価上昇は緩和するだろう。

ただし、コロナ危機やウクライナ侵攻が終息した後も、以前のような低インフレ時代に戻らない可能性がある。これらの危機を経て、(1) パワーバランスの不安定化、(2) 脱炭素、(3) 人手不足、という潮流が加速し、コストプッシュの構造的な物価上昇圧力として残存する可能性があるためだ。本レポートでは、これらの構造的要因がどのように物価に影響を与えうるか紹介する。

(1) パワーバランスの不安定化による供給網を通じた影響

1点目はパワーバランスの不安定化である。そもそも、グローバル化による国際分業体制の発展によって(図表2)、先進国の生産者は製品販売・部品供給網による競争力向上、消費者は国産品よりも低価格な外国産製品の入手、といった利点を享受してきた。Robert C, Diego A(2020)によると、国際貿易は米国のCPIを0.1~0.4%程度押し下げてきたと推計される※2。しかし、パワーバランスの不安定化によって、①供給網の拡大が供給不足・価格上昇リスクとなるとともに、②経済安全保障上の観点から、供給網の再構築が企業にとってコストとなりつつある。

① 地政学リスクの高まりによる供給不足・価格上昇

米中間では貿易政策の変更で、供給網を通じた物価への影響が顕在化している。トランプ政権が対中関税を引き上げた結果、調達コストの増加から生産者物価指数は1%程度上昇し、価格転嫁から消費者物価も押し上げられたと指摘されている※3。また、米中対立はコロナ危機で一層加速し、バイデン政権でも対中強硬姿勢は継続している。2022年6月からは人権保護の観点から、新疆ウイグル自治区で全部または一部生産された製品を原則輸入禁止としており、綿花やポリシリコン(太陽光パネルの原料)の調達不足・価格上昇が懸念されている。

そして、鉱物資源や穀物の一大生産地であるロシア・ウクライナ国境での紛争によって、資源や食料品価格が一段と上昇している。足元の供給網の混乱が解消しても、民主主義国と権威主義国の対立など分断が進めば今後も同様の事態が生じることは十分に考えられ、地政学リスクはもはやテールリスクとは言えなくなっている。
図表2 輸入付加価値の源泉(米国)
図表2 輸入付加価値の源泉(米国)
注:高(低)国は、世界の平均所得を上回る(下回る)国。
出所:OECD “TiVA”, WIDを基に、三菱総合研究所作成
図表3 自然災害・地政学リスクと供給網
図表3 自然災害・地政学リスクと供給網
注:2005年以降の月次データを標準化
出所:Bloomberg、Geopolitical Risk Index、ニューヨーク連銀を基に、三菱総合研究所作成

② 経済安全保障の重視から供給網を再構築する動き

こうした環境の変化を受け、企業には効率性を多少犠牲にしてでも、地政学リスクの影響を緩和しようとする「経済安全保障」の動きが進んでいる。代表的な取り組みの1つが供給網の再構築だ。特に、グローバル化に伴って、半導体や医薬品、希土類金属など戦略物資の特定国への依存度(特に中国やロシアなどの権威主義国)が高まっていることが問題視されている(図表4)。米国では、供給網の国内回帰や同盟国との連携強化(Friend-shoring)を進めているほか、日本でも、5月に成立した経済安全保障推進法の中で、戦略物資の供給網の見直しを重点施策として掲げている。

経済安全保障の取り組みはリスクに対する強靭性を高めるが、企業にとってはコストを要する。供給網の見直しや情報管理体制の強化にかかるコスト、人件費が相対的に高い自国・同盟国内に供給網を移すことによって増加する投入コストなどが、消費者物価へと転嫁されることが予想される。例えば、米国半導体産業協会とBCGは、半導体を完全に自給自足し、増加した運用コストを販売価格に完全に転嫁した場合、半導体価格は35~65%上昇すると試算している※4。また、一般社団法人APIが、2021年12月に日本の主要企業100社に対して実施したアンケート調査では、6割強の企業が「経済安保関連の規則によって既に費用が増加」と回答、中には10%以上増加した企業もある(図表5)※5。一部の日本企業にとっては、前述のウイグル強制労働防止法への対応にもコストを要することになろう。
図表4 戦略物資の調達先の推移(左:日本、右:米国)
図表4 戦略物資の調達先の推移(左:日本、右:米国)
注:HSコードを基に集計。台湾のデータは含んでいない。権威主義国は、EIUで「Authoritarian」に分類された国。
出所:UN Comtrade、EIUを基に、三菱総合研究所作成
図表5 日本企業の経済安保コスト
図表5 日本企業の経済安保コスト
注:2021年12月実施。主要日系企業100社対象。
出所:アジア・パシフィック・イニシアティブ「経済安保100社アンケート」を基に、三菱総合研究所作成

(2) 加速する脱炭素が引き起こす「グリーンフレーション」

コロナ危機後に加速した脱炭素の動きも物価を押し上げる要因だ。脱炭素化に端を発した物価上昇は「グリーンフレーション」と呼ばれ、脱炭素を急速に進める欧州では特に影響が顕在化している。

① 過渡期における不安定なエネルギー供給

脱炭素に移行する過渡期には、エネルギー供給が不安定になり、価格上昇圧力がかかる。欧州では再生可能エネルギーへの電源シフトが急速に進んでいるが、再エネ発電は季節性があるうえに、発電量が天候状態に左右される。実際、2021年には日照量や風量不足によって再生可能エネルギーによる発電量が低下し、代替エネルギーとして天然ガス需要が増加、天然ガスや電力価格高騰の一因となった(図表6左)。再生可能エネルギーによる電力供給が不足した時に、従来型の化石燃料エネルギーで代替することも容易ではない。脱炭素が進む中、従来型エネルギーへの新規投資は座礁資産化するリスクがある。化石燃料への投資・増産にすぐに踏み切ることは難しいためだ。

② 脱炭素資源の供給不足

天然ガスのみならず、脱炭素を実現するうえで必要な鉱物資源の価格高騰もインフレ要因だ。脱炭素関連の技術には従来よりも多くの鉱物資源が必要である(図表7)。国際エネルギー機関(IEA)の分析によると、電気自動車1台を生産するのに必要な銅やニッケルといった非鉄鉱物資源量はガソリン車生産の約5倍にのぼるほか、洋上風力や陸上風力、太陽光発電も原子力や火力発電と比べて銅や亜鉛などの資源を多く必要とする※6。このように、脱炭素が一層加速するにしたがって、資源需要が増加することが予想され、実際、既に2021年に入って以降、資源価格は上昇している(図表6右)。
図表6 エネルギー・鉱物資源の国際市況
図表6 エネルギー・鉱物資源の国際市況
出所:CEIC、Bloombergを基に、三菱総合研究所作成
図表7 脱炭素に必要な鉱物資源量
図表7 脱炭素に必要な鉱物資源量
出所:IEAを基に、三菱総合研究所作成
また、グリーンフレーションは前述の国際秩序の不安定化と、それによる経済安全保障の強化によって加速されうる。過渡期の代替手段である化石燃料、そして脱炭素に必要な鉱物資源の一部は、中国やロシアなどの権威主義国や、相対的に政治的安定性に欠けるアフリカ諸国などからの調達に依存しており、地政学リスク発生時の調達に不安がある(図表8)。実際、2021年のウイグル強制労働防止法の成立に際し、新疆ウイグル自治区が主要産地であるポリシリコン価格が上昇したり、ウクライナ侵攻後、ロシアへの依存度が高いパラジウム価格が一時的に急騰したり、天然ガス価格が上昇を続けたりしている。今後、欧米や中国を中心に脱炭素が加速し、資源需要が増加する。経済安全保障強化の観点から調達先多元化による安定供給を図ろうとしても、他の先進国や既に輸入シェアの多くを占めている中国などと需要がバッティングして価格上昇につながる可能性がある。このように、「脱炭素×経済安全保障」もインフレ要因になりうる。
図表8 鉱物資源の輸出・輸入シェア(2020年)
図表8 鉱物資源の輸出・輸入シェア(2020年)
注:2019年のHSコード金額ベースを基に作成。HSコードは、リチウムが282520、レアアースが280530および2846、パラジウムが711021、クロムが2610、コバルトが2605、ニッケルが2604。欧州はEU+英国。
出所:UN Comtradeを基に、三菱総合研究所作成

(3) 構造的に深まる人手不足と賃金上昇

3点目は人手不足による賃金上昇だ。先進国では、コロナ危機以前から既に人手不足感が強まっていたが、コロナ危機後に一段と顕著になっている(図表9)。最も深刻なのが米国だ。失業率はコロナ危機以前の水準まで戻った一方で、欠員率は急上昇、人材確保のために急激な賃上げが行われている。欧州においても、人手不足から2022年1-3月期に前年比の伸びが急伸した。日本では、賃上げの動きは足元では限定的だが、失業率は低い水準にあり、人手不足感は強まっている。失業率が低下すると賃金が上昇する関係は顕在であり(図表10)、今後賃金上昇圧力も高まっていくだろう。
図表9 賃金関連指数(日米欧)
図表9 賃金関連指数(日米欧)
注:労働・雇用コストには給付等も含む。四半期ベース。
出所:各国統計を基に、三菱総合研究所作成
図表10 フィリップス曲線(日米、コロナ前)
図表10 フィリップス曲線(日米、コロナ前)
注:1991年から2019年。白丸が2019年のデータ。
出所:OECDを基に、三菱総合研究所作成
賃金の上昇が一層進めば、こうした人手不足感はある程度解消されると見込まれるが、コロナ危機下で加速した、①労働力人口の減少、②労働市場のミスマッチ拡大、が人手不足を長期化させる要因となる。

① 労働力人口の減少

先進国では以前から少子高齢化によって将来的な労働力人口の減少が予想されていたが、コロナ危機下でこの傾向が加速した。2019年以前の数年間は、先進国の労働参加率は上昇傾向にあったが、コロナ危機下で日本の労働参加率は横ばい、米英では低下しており未だにコロナ危機前の水準に戻っていない(図表11)。高齢者の退職前倒しや燃え尽き症候群(Burnout)が一因と指摘されており、恒久的に労働市場から退出する恐れがある。

より中長期的な要素もある。2021年の日本の総人口は前年比で▲0.51%と減少が加速、減少幅(前年差▲64.4万人)は比較可能な1950年以来最大だ。これまで先進国の中では例外的に人口が増加してきた米国でも、2021年の人口増加率は同+0.1%にとどまり、1776年の建国以来最低を記録した(図表12)。コロナによる死亡者増加や婚姻の先延ばしなど一時的な要素もあり、米国では足元の出生数は回復傾向も見られる。しかし、世界金融危機以降、日米では好景気時であっても一貫して出生数は右肩下がりであることを踏まえると、一時的な反動増にとどまる可能性がある。加えて、米国では、長年移民の流入が幅広い産業の労働力を支えてきたが、トランプ政権以降に減少、コロナ危機下での渡航制限で拍車がかかった。米国内の反移民感情は根強く、バイデン政権も現時点では移民受け入れの大幅拡大には消極的であり、この傾向が続けば労働力人口減少の一因となろう。
図表11 労働参加率(日米英) 
図表11 労働参加率(日米英) 
注:定義は各国で異なる。日本は季調前。
出所:各国統計を基に、三菱総合研究所作成 
図表12 人口増減(日米)
図表12 人口増減(日米)
注:自然増減は「出生-死亡」、社会増減は「移民流入-流出」。
出所:各国統計を基に、三菱研究所作成

② 労働市場のミスマッチ拡大

コロナ下の労働市場の変化によって、企業と労働者・求職者の間のさまざまなミスマッチが拡大し、人手不足を加速させる要因となっている。

ミスマッチの1つが、労働条件・環境のミスマッチだ。コロナ危機下では、時間や貯金に余裕ができたために自分のキャリアを見直す機会が増えたこと、リモートワークなど新しい働き方が普及したことなどから、労働者や求職者が求める労働条件・環境と、企業が提供する条件・環境にギャップが生まれつつある。米国では、経済活動の再開に伴い、娯楽・宿泊業などの求人件数は増加しているものの、賃金が相対的に安いことやリモートワークが難しいことなどから、採用件数の増加は限定的だ。また、ResumeBuilderが2022年6月に米国で実施した調査では、求職者が最も重視する項目として「柔軟なスケジュール」を挙げているのに対し、同項目を認めている企業は約3分の1にとどまっている※7。結果として、歴史的な人手不足という状況にもかかわらず、求職者の45%が「コロナ前より就職先を見つけるのが難しくなった」と回答している。

ミスマッチ拡大によって、より良い労働条件・環境を求めて転職者が増加する兆しが表れている(図表13)。米国では元々労働市場の流動性は高かったが、自発的離職者数が過去最高を更新している。日本においては、実際の転職者数は増加していないが、コロナ禍を機に、ホワイトカラー層や若年層を中心に転職希望者数が増加しており、経済活動の本格化が進むにつれて、顕在化が予想される。転職が増えれば、企業は人材獲得のために給与水準を上げざるを得ず、賃金をシグナルにさらに転職が増加するという循環が生まれる。米国では、人材を引き留めるために、転職者の給与のみならず、非転職者の給与も上昇している。
図表13 転職市場の動向(日米)
図表13 転職市場の動向(日米)
注:米国の自発的離職者数は引退前倒しなども含む。
出所:各国統計を基に、三菱総合研究所作成 
一方で、企業が求めるスキルと求職者のスキルレベルに差があることに起因する、スキルのミスマッチの拡大も懸念事項だ。コロナ危機下では情報通信産業や金融、専門サービス業などが大きく成長したが、雇用者の増加はそれに比べると小さく、産業間の労働移動は限定的である(図表14)。Carlos(2022)は、米国の求職者は自発的に成長産業へ移動しようとしていることを指摘しているが※8、これらの産業は相対的に高いスキルを要するため、スキルのミスマッチから採用数が伸び悩んでいると考えられる。

また、日本でも、公共職業安定所(ハローワーク)における専門・技術職の求職者数はコロナ危機以前を大きく上回り、成長産業・職種への就職を希望する動きが見られるが、採用率は他職種と比べて著しく低い。企業からすると、新しい高スキル人材を獲得するのはスキルのミスマッチから困難なうえ、前述の通り専門職における転職希望が高まっており、高スキル人材の獲得競争は今後一層激化しよう。高スキル産業への労働移動には時間を要するため、職業技能支援などがなければ人手不足は長期化しかねない。
図表14 産業別GDP・雇用者数(米国)
図表14 産業別GDP・雇用者数(米国)
注:2019年第4四半期と2022年第1四半期の比較。
出所:米国労働省、商務省を基に、三菱総合研究所作成

供給不足解消のための企業投資に注目

冒頭で述べたように、金融緩和の縮小・引き締めによって、ディマンドプルの物価上昇圧力は今後弱まっていく一方で、今回紹介した3つの構造的要因は、企業目線ではいずれも供給要因によるコストプッシュ型の物価上昇圧力である。企業・政府には、こうした外部環境の変化を機に成長投資を進めることで、供給面を強靭化し大幅な物価上昇圧力を緩和するとともに、成長につなげるという発想の転換が求められる。

既にこうした取り組みを進めている事例もある。前述の通り、欧州では「グリーンフレーション」の影響を大きく受けており、ECBのラガルド総裁も脱炭素の推進がインフレ要因になることを認めているが、安全保障上の観点に加え、先行者利得を得るために脱炭素を一層加速させている。ウクライナ侵攻後に公表したエネルギー計画「REPower EU」の中では、短期的には天然ガスなどの調達先多角化を目指す一方で、中長期的には脱炭素を一段と進めることを掲げている。鉱物資源の調達に関しても、2020年9月という早い段階で「重要鉱物に関する行動計画」を発表、供給網の強靭化に加えて、資源の循環利用技術の推進に取り組む構えだ。

また、人手不足が深刻な米国では、賃金を上げるだけでなく、自動化・省力化によって労働代替や生産性向上を図ろうとしている企業も多い。例えば、リッチモンド連銀が管轄地区内の企業のCFOに対して2022年3月に行った調査では、人手不足への対応として、大企業の過半数・中小企業の約4割が「テクノロジーの導入」と回答している。

経済安全保障の観点でも、同盟国内での連携強化の動きを好機と捉え、自国の成長産業や優位産業を伸ばすことも可能だろう。

コロナ危機下の先進国では、大規模な企業への財政支援が行われ、マクロで見れば企業の手元資金は増加している(図表15)。上述の例のように、構造的な物価上昇圧力が高まる中で、これらの資金を脱炭素や経済安全保障、人的投資に活用し、成長へとつなげられることを期待したい。最後に、今回は先進国共通の物価上昇圧力について述べたが、日本の場合は円安による物価上昇圧力やデフレマインド定着による限定的な価格転嫁能力など、日本特有の問題が存在し、別途対応が求められることには留意が必要だ。
図表15 非金融法人の現預金残高
図表15 非金融法人の現預金残高
注:日本のみ年度。直近は、米英が2021年、日本は2020年度。
出所:各国統計を基に、三菱総合研究所作成

※1:もっとも、エネルギー・生鮮食品を除く消費者物価では前年比で1%を下回っており、コア物価も上昇している欧米とは状況は異なっている。根底には、限定的な価格転嫁能力など、日本特有の原因が存在するが、本レポートでは深堀りしない。

※2:Robert, C. and Diego, A (2020), Offshoring and Inflation. NBER Working Paper No. w27957.

※3:Amiti, Stephen, and Weinstein (2019), The impact of the 2018 Trade War on U.S. Prices and Welfare. NBER Working Paper No. w25672.

※4:SIA and BCG (2021), Strengthening the global semiconductor supply chain in an certain era.

※5:一般社団法人API 「経済安全保障に関する日本企業100社アンケートの結果を発表」 https://apinitiative.org/2021/12/24/30696/(閲覧日:2022年7月21日)

※6:International Energy Agency (2021), The Role of Critical Minerals in Clean Energy Transitions.

※7:Resume Builder, Job market difficulties continue in 2022, as employers fail to meet job-seekers’ expectations
https://www.resumebuilder.com/job-market-difficulties-continue-in-2022-as-employers-fail-to-meet-job-seekers-expectations/(閲覧日:2022年6月30日)

※8:Carlos, Camila, Alex, Annette, Ludo, and David (2022), Job search and mismatch during the Covid-19 pandemic
https://voxeu.org/article/job-search-and-mismatch-during-covid-19-pandemic(閲覧日:2022年6月30日)