世界経済は緩やかに減速している。中国経済はゼロコロナ政策解除により持ち直しているものの、米欧経済が物価高や金融引き締めの影響から減速している。
先行きの世界経済は、23年は米欧経済を中心に低めの成長が続くことから、過去の平均的な成長率(3%程度)を下回る成長にとどまるが、中国経済の成長回復などから2%台前半の成長は維持する見込み。24年は、世界的にインフレが落ち着き米欧中銀も利下げに転じるほか、脱炭素などに向けた政策支援のもとで投資が拡大することもあり、世界経済は3%近い成長率を回復するとみる。世界の実質GDPは、23年は前年比+2.3%(1-3月期の上振れを反映し、前回2月時点から+0.2%ポイント上方修正)、24年は同+2.8%(前回から変更なし)と予測する。今後の世界経済の注目点は次の3つだ。