米欧のインフレ率は低下傾向にあるが、2%の物価目標達成にはまだ距離がある。FRBはインフレ抑制に向けて当面は5%台の政策金利を維持し、24年半ば以降に利下げに転じると見込む。底堅い雇用・所得環境が下支え要因となることから景気後退は回避しつつも、既往の金融引き締めの影響が顕在化し、24年の米国経済の成長は1%程度に減速する見込み。欧州経済は米国以上にインフレ圧力が強く、ECBの利下げは24年後半以降となろう。引き締め的な金融環境の長期化により、欧州経済は24年も1%程度の成長にとどまると予想する。