個人の事前防災行動を後押しするためには、個人の日常生活と事前防災行動とを、ストレスなく接合するサービスの開発が重要である。当社では、このサービス開発に資するよう、協力を得た首都圏住民7,000人を対象に、基本属性29項目、困難に立ち向かう能力に関する74項目、日常的な関心・行動に関する71項目からなる生活者データ「パーソナル・レジリエンス・プロファイル」(以下「PRP」)を作成した。
PRPにより「ライト層」を分析した結果、特徴的な6つのセグメントA~Fを見い出した(詳細はレポート3章を参照)。例えば、「ライト層」の20%を占めるセグメントAの人たちは、仕事中心の生活を送る一方、テレワークやシェアリングサービスを使いこなし、新常態生活に適応している傾向がある。このセグメントに対しては、首都圏外の空き物件のシェアリングサービスを展開することが考えられる。セグメントAの人たちは、平時からこのサービスを使いこなすとともに、災害時には同サービスを使って生活拠点を被災地の外に移せる。またセグメントBは、普段から多様なライフスタイルや趣味、友達付き合いを楽しんでおり、生活に対するポジティブさ、寛容さ、好奇心の強さが認められる。このセグメントの人たちを「レジリエントな社会」コンセプトのアーリーアダプターと想定し、新サービス開発の際の優先的なアプローチ先とする戦略も考えられる。