2050年カーボンニュートラル(CN)実現に向けて再生可能エネルギーの導入や電化の加速など大きな社会変革が起こると見込まれる。これらCNの実現とあわせて、EUなどを中心に強力に推し進められているのが「サーキュラーエコノミー(循環型経済、CE)社会への移行」である。
CEとは従来の廃棄物処理・リサイクルを中心とした資源循環の考え方とは異なり、素材選択・製造の在り方、消費の様式など、製品・サービスのライフサイクル全体で循環の思考を取り入れようとするものである。従来環境志向の高い取り組みとみられてきたが、SDGsの浸透などによる人々の価値観の変化やサステナブルファイナンス※1の拡大などを受けて、CEの実現に資する商品やサービスを提供すれば、ブランド価値だけでなく、財務価値、企業価値の向上につながるという認識が広がりつつある。
また、これまではCNとCEそれぞれが個別に最適化を目指しているという傾向がみられたが、今般2050年のCN実現という具体的な目標が示されたことで、これらが相互に関係性を強め結果的にCEが加速するという様相を呈してきている。
すなわち、①CNを実現するための手段として炭素負荷を下げる効果のあるCE型の取り組みが推進される、②CN達成に向けた取り組みによって資源制約が顕在化してCE自体の重要性が高まるという2つの側面に着目すべきである(図)。
以下、金属資源、プラスチックを例にCE加速化のシナリオについて考察する。
CEとは従来の廃棄物処理・リサイクルを中心とした資源循環の考え方とは異なり、素材選択・製造の在り方、消費の様式など、製品・サービスのライフサイクル全体で循環の思考を取り入れようとするものである。従来環境志向の高い取り組みとみられてきたが、SDGsの浸透などによる人々の価値観の変化やサステナブルファイナンス※1の拡大などを受けて、CEの実現に資する商品やサービスを提供すれば、ブランド価値だけでなく、財務価値、企業価値の向上につながるという認識が広がりつつある。
また、これまではCNとCEそれぞれが個別に最適化を目指しているという傾向がみられたが、今般2050年のCN実現という具体的な目標が示されたことで、これらが相互に関係性を強め結果的にCEが加速するという様相を呈してきている。
すなわち、①CNを実現するための手段として炭素負荷を下げる効果のあるCE型の取り組みが推進される、②CN達成に向けた取り組みによって資源制約が顕在化してCE自体の重要性が高まるという2つの側面に着目すべきである(図)。
以下、金属資源、プラスチックを例にCE加速化のシナリオについて考察する。
[図]カーボンニュートラルによるサーキュラーエコノミーの加速