上述のとおり、中間貯蔵施設における減容化施設の処理対象は非常に不確定要素を含んでいるといえる。
さらに、再生利用に当たって現時点では生成物の利用先が定まっていない。再生利用の用途に応じた資材としての要求品質や、遵守すべき放射能濃度等の基準も検討中である。
このように中間貯蔵施設の入口と出口が不確定な状況下で減容化施設を特定のタイプに決めることは、将来的に処理可能な廃棄物等の種類や量を制限することになりうる。また、処理コスト、処理に要する時間、減容生成物の品質・放射能濃度なども制約を受け、結果的に全体最適性を損なう恐れがある。
そこで、中間貯蔵施設における減容化施設に「並列性」と「拡張性」を持たせることを提案する。「並列性」とは、廃棄物のさまざまな性状に対応していけるよう減容化施設を複数のタイプの組み合わせで構成する考え方である。「拡張性」とは、実証試験的な運用もしながら適宜機能を改善・改修していく考え方である。減容化施設を特定のタイプに決め打ちするのは得策ではなく、これらの考え方を計画に織り込んだ、柔軟な処理スキームとしておくことが望ましい。
※1:現在、中間貯蔵施設では廃棄物等を仕分ける分別施設などが整備されており、秋頃に貯蔵が開始される予定。
※2:環境省 中間貯蔵施設情報サイト「中間貯蔵施設の概要」より引用。
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/about/(閲覧日:2017年7月25日)
※3:現在、減容・再生利用に向けた技術開発や実証事業が開始されている。