福島第一原子力発電所の廃炉において、最大の課題は燃料デブリの取り出しです。「燃料デブリ」とは、事故によって、原子炉圧力容器(Reactor Pressure Vessel、RPV)内の炉心燃料が、原子炉格納容器(Primary Containment. Vessel、PCV)の中の構造物(炉心を支える材料や制御棒、PCV底部のコンクリートなど)と一緒に溶けて固まったものを指します。
燃料デブリは核燃料を含むため放射線源ですが、現在は冷却され一定の安定状態を維持しています。しかし、福島第一原子力発電所は地震や津波により損傷しており、また、内部の状況がいまだに十分に把握できていないなどの不確かさや不安定さをはらんでいることから、中長期的なリスク管理の観点から見ると、燃料デブリをできるだけ早く取り出し、より安全な場所に移動させて安定的に保管する必要があります。
本コラムでは、この「燃料デブリの取り出し」の実施体制とスケジュールを説明し(第2章)、その難点を示します(第3章)。さらに、これを解決するための研究開発の状況をまとめ(第4章)、最後に今後の取り組みに関しての提言を第5章に示します。
燃料デブリは核燃料を含むため放射線源ですが、現在は冷却され一定の安定状態を維持しています。しかし、福島第一原子力発電所は地震や津波により損傷しており、また、内部の状況がいまだに十分に把握できていないなどの不確かさや不安定さをはらんでいることから、中長期的なリスク管理の観点から見ると、燃料デブリをできるだけ早く取り出し、より安全な場所に移動させて安定的に保管する必要があります。
本コラムでは、この「燃料デブリの取り出し」の実施体制とスケジュールを説明し(第2章)、その難点を示します(第3章)。さらに、これを解決するための研究開発の状況をまとめ(第4章)、最後に今後の取り組みに関しての提言を第5章に示します。