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2018年5月号トピックス4次世代インフラ

AIによる「副業・兼業人材」のマッチング

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2018.5.1

次世代インフラ事業本部寺澤 憲人

次世代インフラ

POINT

  • 副業・兼業の解禁は、複数の企業による人材の能力と時間の共有を促進する。
  • 能力と時間の共有には、人材と業務との柔軟な即時マッチングが必要。
  • AIが人材を最適配分するために、業務内容の再定義とデジタル化を。
政府の後押しにより副業や兼業を解禁する機運が高まっている。働き方に関する企業側の意識も変わり始め、届け出制度や許可制度を設けた上で副業・兼業を容認するケースも増えている。副業・兼業を介して従業員が獲得する新たなスキルや経験を、本業へと還流させることが狙いの一つだ。少子高齢化や業務の増加・複雑化が招く人材不足を解消するには、スキルを囲い込まずに社内外で活かす必要があると見ている。

就業に対する変革の流れは、AIを活用した人材マッチングプラットフォーム(AIマッチングPF)の整備を促すだろう。副業・兼業は、場所や時間に制約されない働き方を実現する「仕掛け」があって初めて成り立つからだ。柔軟な即時マッチング機能を備えるAIを、「副業・兼業人材」の能力と時間の共有に活用する意義は大きい。とりわけ、希少な人材に発注が集中する場合などに本領が発揮されるだろう。

企業が漠然と求人をしても、AIマッチングPFは最適なスキルセットを推定して適切な人選をしてくれる。例えば、未経験の販促イベントを企画することになったとしよう。期限は1カ月後に迫っている。しかし、社内に経験者はいない。人を雇うまでもないが、不案内な分野で今すぐ手助けが欲しい——。ここでAIマッチングPFに、「販促イベント?」と問いかける。会社の規模・販促対象の製品などを把握したAIマッチングPFは、他社で働く経験者を探し、こう教えてくれる。「類似のイベントでSNSマーケティングや街頭イベントの提案・運営をしている経験者が見つかりました!」「1週間以内に10万~15万円でイベント手順書を納品できます!」(図)。

発注する企業や仲介業者が担ってきた契約条件の調整を即時に行う機能も今後AIマッチングPFに実装されるべきだろう。マッチングの精度や契約に係る機能を担保するには、発注する業務に必要な知識、スキル、職務内容だけでなく、成果の評価基準をデジタル化して定義する必要がある。来るべきAIを活用した人材マッチング時代に先駆けて、自社業務もデジタル化して再定義する必要がある。これはAIが学習する上で不可欠な、まず人がすべき仕事の一つである。
[図]AIを活用した人材マッチングプラットフォームの運用イメージ

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