気候変動対策が待ったなしと言われて久しい。2018年の秋には、温度上昇を1.5度に抑える可能性に関する報告書がIPCC※1より発表される予定だが、同年初頭に明らかになったドラフトは1.5度目標達成の可能性は現状では非常に低いという結論を示唆している。これに対して、再生可能エネルギー(再エネ)の普及などにより世界の温室効果ガス(GHG)排出量の伸びは鈍ってきたが、明確に減少に転じるには至っていない。
2015年に合意されたパリ協定は、今後の世界全体における気候変動対策のあり方について取り決めたものである。パリ協定は京都議定書と異なり、各国に対して拘束力のある削減目標を義務付けないようにして、広範な国の参加を目指しているのが特徴だ。2018年12月に開催される気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)では、パリ協定の細則が合意される予定となっている。
しかし、気候変動対策実施へ向けて各国政府が明確に舵を切ったとは言い難い。この原因として、米国トランプ政権がパリ協定を離脱し、G7でも気候変動に関する議論に参加しないなど、地球規模の課題解決への協力に背を向けていることが大きい。さらに欧州では英国のEU離脱に加え、再エネの導入が進んだ西欧と遅れている東欧との不協和音も聞かれる。
先進国、特に米国の排出削減へのコミットが見られない状況で、中国やインドのような途上国が率先して温室効果ガス排出の削減を国際的に公約することは想定しにくい。このような状況から、COP24での合意は形式的なものにとどまる可能性が高く、気候変動対策へ向けて各国が政治レベルで明確に排出削減に合意する状況ではないと言える。気候変動対策は、COPの決議を待つだけでは不十分ということだ。
2015年に合意されたパリ協定は、今後の世界全体における気候変動対策のあり方について取り決めたものである。パリ協定は京都議定書と異なり、各国に対して拘束力のある削減目標を義務付けないようにして、広範な国の参加を目指しているのが特徴だ。2018年12月に開催される気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)では、パリ協定の細則が合意される予定となっている。
しかし、気候変動対策実施へ向けて各国政府が明確に舵を切ったとは言い難い。この原因として、米国トランプ政権がパリ協定を離脱し、G7でも気候変動に関する議論に参加しないなど、地球規模の課題解決への協力に背を向けていることが大きい。さらに欧州では英国のEU離脱に加え、再エネの導入が進んだ西欧と遅れている東欧との不協和音も聞かれる。
先進国、特に米国の排出削減へのコミットが見られない状況で、中国やインドのような途上国が率先して温室効果ガス排出の削減を国際的に公約することは想定しにくい。このような状況から、COP24での合意は形式的なものにとどまる可能性が高く、気候変動対策へ向けて各国が政治レベルで明確に排出削減に合意する状況ではないと言える。気候変動対策は、COPの決議を待つだけでは不十分ということだ。