オフィスで働き、仕事帰りに買い物をし、友人と会食する──。人々はさまざまな行動を通して日々の生活をより充実したものにしている。
一人ひとりの行動が充足されることは、ウェルビーイング(幸福感)を高める重要な要素の一つと考えられる。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、人々の生活様式は大きく変化した。
コロナ禍で生じた働き方・暮らし方の変化は、一日における時間の使い方と使う場所の変化も促している。首都圏および関西圏の就業者を対象に試算した結果によると、テレワークなどコロナ禍の働き方の変化により創出される時間は、働き方の選択肢が少ないエッセンシャルワーカーを含め一週間で1人当たり約1.3時間となっている。その余剰時間を人々の生活の充実度を高めるための新たな活動に振り向けることは、サービス事業者にとっては大きな潜在市場となりうる。
それと同時に、これらの創出された時間を消費する場は働き方の多様化に伴い、勤務先周辺のみならずテレワークを実施する自宅周辺まで多様なかたちで発生するようになる。自宅周辺での外食、勤務時間の合間を使っての定期歯科検診、自宅に近い拠点駅周辺でのリモートオフィス利用などがその例だ。人々が居住地域の都市機能やサービスに目を向ける機会が増え、それらに対する期待度がこれまで以上に高まる。
このように人々の行動範囲が広がる中、人々の居住地域における住環境の各構成要素に対する重視度と満足度にはどのような特徴がみられるであろうか。まず、都心からの通勤時間距離別に分類した結果をみると、住環境の構成要素に対する重視度は都心からの通勤時間距離によらず同様の傾向を示している(図1)。
一人ひとりの行動が充足されることは、ウェルビーイング(幸福感)を高める重要な要素の一つと考えられる。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、人々の生活様式は大きく変化した。
コロナ禍で生じた働き方・暮らし方の変化は、一日における時間の使い方と使う場所の変化も促している。首都圏および関西圏の就業者を対象に試算した結果によると、テレワークなどコロナ禍の働き方の変化により創出される時間は、働き方の選択肢が少ないエッセンシャルワーカーを含め一週間で1人当たり約1.3時間となっている。その余剰時間を人々の生活の充実度を高めるための新たな活動に振り向けることは、サービス事業者にとっては大きな潜在市場となりうる。
それと同時に、これらの創出された時間を消費する場は働き方の多様化に伴い、勤務先周辺のみならずテレワークを実施する自宅周辺まで多様なかたちで発生するようになる。自宅周辺での外食、勤務時間の合間を使っての定期歯科検診、自宅に近い拠点駅周辺でのリモートオフィス利用などがその例だ。人々が居住地域の都市機能やサービスに目を向ける機会が増え、それらに対する期待度がこれまで以上に高まる。
このように人々の行動範囲が広がる中、人々の居住地域における住環境の各構成要素に対する重視度と満足度にはどのような特徴がみられるであろうか。まず、都心からの通勤時間距離別に分類した結果をみると、住環境の構成要素に対する重視度は都心からの通勤時間距離によらず同様の傾向を示している(図1)。
[図1] 通勤時間距離別の都市機能満足度(首都圏・関西圏)
一方で現状の満足度については、都心からの通勤時間距離が遠くなるのに従って低下している。一般的に、都心よりも郊外の住環境が優れるとされることは多いが、必ずしも郊外居住者の生活満足度が高いわけではないことが示唆されている。このことから、地域の魅力、すなわち人々が都市※1の中で多様な行動の実現を通して享受する価値の向上を図ることが重要になると考えられる。
その価値の向上を決定づける要素として当社は「行動拡張」に着目した。行動拡張とは、個々人のより良い生活・人生を実現する上で、良質な時間を過ごすべく、一人ひとりの価値観や生活環境に応じた多様な行動機会の実現に向け、最適な行動の選択を支援し、一つひとつの行動の質を高めることである。
しかし、個々人が望む暮らし方や生き方は多様であり、さらに厄介なことに日々の目まぐるしい生活の中で本人がやりたいことを自覚しているとも限らない。潜在的な「行動」の掘り起こしも時には必要となる。
従来、人々の行動を促進させる方策として、ハード整備による都市機能の向上が数多く行われてきた。しかし、人口が減少する一方で、人々の行動が多様化する。その中で、人々のニーズに柔軟に対応しながら持続可能な都市を築き上げていくには、ハード整備に依存するのは現実的ではない。
これからの社会では、都市が有する既存の施設や空間の有効的な使われ方を促し、それらを利用したい人々のニーズや時間をうまくつなぎ合わせる仕組みが求められよう。それを実現する仕組みが行動拡張サービスだ。
その価値の向上を決定づける要素として当社は「行動拡張」に着目した。行動拡張とは、個々人のより良い生活・人生を実現する上で、良質な時間を過ごすべく、一人ひとりの価値観や生活環境に応じた多様な行動機会の実現に向け、最適な行動の選択を支援し、一つひとつの行動の質を高めることである。
しかし、個々人が望む暮らし方や生き方は多様であり、さらに厄介なことに日々の目まぐるしい生活の中で本人がやりたいことを自覚しているとも限らない。潜在的な「行動」の掘り起こしも時には必要となる。
従来、人々の行動を促進させる方策として、ハード整備による都市機能の向上が数多く行われてきた。しかし、人口が減少する一方で、人々の行動が多様化する。その中で、人々のニーズに柔軟に対応しながら持続可能な都市を築き上げていくには、ハード整備に依存するのは現実的ではない。
これからの社会では、都市が有する既存の施設や空間の有効的な使われ方を促し、それらを利用したい人々のニーズや時間をうまくつなぎ合わせる仕組みが求められよう。それを実現する仕組みが行動拡張サービスだ。