コラム

社会・経営課題×DXデジタルトランスフォーメーション

第2回:ポストコロナを見据えたASEANへのICTインフラ輸出

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2020.8.26

社会ICTソリューション本部姫野貴之

社会・経営課題×DX

POINT

  • 政府の戦略は、新型コロナ対応を含む「ICTインフラ輸出」の推進。
  • 輸出対象のASEANは、経済共同体構想実現に向けて施策を実施。
  • デジタル化社会を見据えた、ASEAN地域全体の発展を意識すべき。
政府の戦略としてインフラ輸出が掲げられ、各省庁は海外展開を検討している。ICT分野においては、日本が培った技術や規格を発展途上国に導入していく動きと併せて、「ICTインフラ輸出」※1が推進されている。特に2020年度の戦略改訂では、新型コロナウイルス感染症への対応という点で、医療・保健・公衆衛生分野への協力や対応のみならず、デジタル技術やデータの利活用の基盤となる技術の海外展開なども含まれている。ICTインフラ輸出の対象は、これまでは港湾・税関、中央銀行、防災などの分野であったが、社会や市場の変化により、その対象も変化しつつある。

ICTインフラ輸出のターゲット国となっているのは、成長が著しく、日本とも地理的近接性があるASEAN諸国である。ASEANでは、インフラ整備需要の高まりとともに日本企業の進出も多くみられる。例えば、多くのインフラ整備事業が実施されているミャンマーでは、都市部の発展がめざましい。2013年当時は2万円以上の価格であったSIMカードも、通信自由化により現在では100円程度である。また、安価な中古スマートフォンが急速に流通したことにより、寺院(パゴダ)の中でも携帯ゲームにいそしむ若者を見ることができる。

ASEANでは、2015年にASEAN経済共同体構想が掲げられ、2025年を目標年として経済連結性を高める標準化の施策が進められている※2 。ICT分野においても一国だけにとどまらず、ASEAN地域全体の発展を意識した、標準化や相互互換性を要件とすることが重要である。また、ポストコロナに向けた電子申請や電子決済などデジタル化の推進が急務であり※3 、そのデジタル化基盤に日本のICT技術が含められるように、ASEAN全体の施策と整合を取って進めることが求められる。

日本はポストコロナで加速化するデジタル化社会を見据え、ASEAN地域全体の発展を意識しICTインフラ輸出を推進していくべきである。

※1:経協インフラ戦略会議「インフラ輸出戦略(令和2年度改訂版)」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keikyou/dai47/siryou3.pdf(閲覧日:2020年7月26日)

※2:ASEAN Secretariat, “ASEAN2025: Forging Ahead Together”,
https://www.asean.org/storage/2015/12/ASEAN-2025-Forging-Ahead-Together-final.pdf(閲覧日:2020年7月26日)

※3:経済産業省「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大による経済的影響の緩和に関するASEAN+3経済大臣共同声明(仮訳)」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200604001/20200604001-2.pdf(閲覧日:2020年7月31日)

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