カーボンニュートラルや労働人口減少など、電力インフラ事業を取り巻く環境の変化を踏まえ、電力インフラ分野でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が急務となっている。欧米諸国では、機械学習やデジタルツインなどの最新技術を、送配電事業の効率化や高度化につなげるような先進事例が次々と登場している。一方、日本の取り組みはまだ緒に就いたばかりだ。送配電分野のDXソリューションを単なる技術実証で終わらせず、真の現場実装につなげるためのポイントを紹介する。
※1:AI、IoT、ビッグデータなどの最新のデジタル技術を活用し、企業が抱える課題を解決し、ビジネスモデルや組織を変革するための取り組みやツールのこと。
※2:一般車両に搭載したデジタルカメラと3次元レーザースキャナの計測により、道路および周辺の連続画像と3次元座標データを計測する車両搭載型レーザー計測装置。
※3:一般送配電事業者が保有する電力使用量などの電力データを集約して、自治体などや認定電気使用者情報利用者等協会(一般社団法人電力データ管理協会)を通してデータ利用事業者に提供する仕組み。令和5年9月28日に電力データ集約システムの運用が開始され、電気事業法第34条および第37条の3に基づく、本格的な電力データの提供が開始された。
災害時の事故対策や早期復旧などレジリエンス強化、および平時の高齢者などの見守りや環境対策などの社会課題の解決につながるサービスの創出が期待されている。