中国共産党大会において、次期指導部の顔ぶれが決定した。李克強首相など改革派が退任、習主席への権力集中が顕著な体制となる。党大会で示された政策方針に大きな変更はないが、具体策が示される23年3月の全人代などで、改革開放路線やイノベーション強化に向けた政策が維持されるか注目だ。米国中間選挙では苦戦が予想されていた民主党が上院で多数派を占めるなど善戦した。「ねじれ議会」となることで、議会の予算措置が必要な分野では政策運営の制約が強まるだろう。
23年にかけての世界経済の先行きリスクは、第一に、米欧の主要国が同時にスタグフレーションに陥ることである。金融引き締めでもインフレが収まらず、さらなる金融引き締めや財政抑制が必要となった場合、景気後退が長期化する恐れがある。第二に、金融システム不安への発展である。景気減速と金利上昇が並行するなかで、ノンバンクなどの資金繰りが悪化、金融システム不安が強まる可能性がある。第三に、中国不動産市場の低迷長期化である。GDP比10%を占める住宅市場の冷え込みが長期化すれば、不良債権増大などから中国経済の下振れ要因となる。