マンスリーレビュー

2020年5月号トピックス3地域創生デジタル・イノベーション

食品の安心・安全を守るプラットフォームの構築を

同じ月のマンスリーレビュー

タグから探す

2020.5.1

地域創生事業本部濱田 美来

地方創生

POINT

  • 多様化する消費者のニーズに対応するには、新しい食品表示法でも限界。
  • 業界内で統一された企業横断的なデータベースの導入が不可欠。
  • 事業者間で連携することで、消費者の安心・安全に寄与できる。
2020年4月、「食品表示法」が完全施行された。食品表示法は、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」の食品の表示に課する規定を統合し、消費者、事業者にとって分かりやすい表示を実現することなどを目的に、2013年6月に公布された。

今回の施行に伴い、アレルギー表示もルールが改善されたが、表示義務となった特定原材料は7品目に限られるなど課題もある。表示が推奨される21品目については、表示するか否かは事業者の判断にゆだねられており、大豆やナッツ類(落花生を除く)などにアレルギーがある消費者は必要な情報が得られない可能性がある。また、アレルギーだけでなく、宗教上の理由などによって食べることのできない品目がある人にとっても、義務表示の内容だけでは十分な情報にはならない。

消費者が信頼性の高い情報を入手するためには、生産から流通までの食品情報を一元管理するデータベースの構築と活用が有効である。しかし、一社だけで独自でデータベースを構築し詳細な食品情報を提供するのは、法律や商品のアップデートへの対応などに多大なコストがかかり、大企業でも実現は困難だ。

解決には、業界で統一された事業者横断的なデータベースとなる「プラットフォーム」が有効である(図)。各社独自で整備するのに比べて、コスト削減など利点は多いが、現状では課題も多く、実現への道のりは険しい。

プラットフォームの必要性は世界的に認識されており、消費財に関する企業の団体であるCGF※1においても、Data Leapfrog Projectsという事業者間での情報共有に関する取り組みが進められている。取引において、原材料や製造ロットなど商品に関する情報は日々やり取りされており、日本においても例えばこれら情報のフォーマットを共通化するだけでプラットフォーム構築に向けた課題が一つクリアできる。消費者がより安心・安全に食品を選択できるよう、日本企業も業界全体においてサービスの質の向上と競争力強化に向けた一層の連携を進めるべきだ。

※1:THE CONSUMER GOODS FORUM。

[図]食品情報が一元管理されたプラットフォームのイメージ

バックナンバー

関連するナレッジ・コラム