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2020年5月号トピックス5デジタル・イノベーション

DXに先だつ業務プロセス改革のススメ

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2020.5.1

イノベーション・サービス開発本部中野 香織

デジタル・イノベーション

POINT

  • DXを全社導入するに先だって管理部門における試行が重要。
  • まずはBPRを実施して業務効率化の推進を。
  • 個々人は浮いた時間で自己研さんを。公私にわたる充足感に通じる。
経営環境の激変により、ビジネス競争力を高めるICTコンセプトである「DX※1」の導入を本格的に目指す企業が増えている。全社導入に先だち、経営企画や経理・財務をはじめとする管理部門におけるDX試行が急がれることが多く、そのため管理部門担当者には、急速に変化する自己業務への影響を不安視する向きも多い。

これまで、企画など経営者の参謀役を担う管理部門はいわば経営の聖域であったが、今後は複数組織間の連携の増加などにより、より深い洞察のもと経営者のアドバイザリーボードとして強く機能することが求められる。一方で、まだ効率化の余地が数多く存在するとの指摘も多い。こうした高度化とスリム化が併存する多様性がDXの導入の試金石として適すると考えられているようだ。

必要なのは、「経営環境の変革」と「管理部門の業務改革」の両輪である。しかし、場合によっては管理部門(組織)が変化を嫌い、新しい全社的な取り組みを阻害する懸念もある。その際は、「いかにして仕事をサボるか」という発想が管理部門の業務従事者に必要だ。サボった結果、業務が効率化し、浮いた時間を他の業務に割り当てられ、好循環のもとで業務プロセス改革(BPR)の可能性が見いだされる。管理部門は自らの業務効率化を進め、浮いた時間をBPR推進に充てることにより、激変する経営環境を現場とともに歩む—。まさにDXの本質といえよう(図)。

当社の経験上、DXを試行するに当たっては、既存業務の必要性を十分に検討した上で、BPRを断行して事業ポリシーや人材配置を見据えた柔軟な対応をする必要がある。さらに、RPA※2やAIが業務により深く浸透し、従業員の意識改革、高い専門性や事業横断的な調整能力などの新たなスキルも今後は求められるだろう。

しかし、高度人材を社外調達しようにもハードルは高く、社内人材の育成と両面作戦が必要だ。従業員個々人が自己研さん(スキルアップ)、例えばICTノウハウに精通するなどに真剣に取り組んだ結果、効率化、時短の恩恵にあずかり、公私にわたり満足度を高めるような職場を目指したい。

※1:Digital Transformation。

※2:Robotic Process Automation(ソフトウエア・ロボットによる自動化)。

[図]業務効率化・BPR・DXの関係

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