マンスリーレビュー

2017年3月号 デジタル・イノベーション経営コンサルティング

マーケティングにAIを活用する

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2017.3.1

ICTイノベーション事業本部清水 浩行

デジタル・イノベーション

POINT

  • マーケティング分野でのAIへの期待は大きいが、企業では導入が進まない。
  • AI導入のためには、業務のルーティン性と技術の成熟度から優先順位を設定する。
  • AIを業務効率化のみならず顧客への提供価値向上の手段として活用する。 
 マーケティング分野はデジタル化がいち早く進み、関連するデータは急増している。人手による分析には限界があり、AIとの分業に期待が集まる。しかし現実には、トップダウンでAIの検討を開始したものの、効果が見極めきれず導入に踏み切れない企業も多い。効果の算出にはトライアル導入による検証(PoC: Proof of Concept)が有効という認識は広まっているが、PoCの実施にも優先順位付けが必要だ。AI活用はどこから着手すべきだろうか。

 まずAIの特性を理解する必要がある。現時点ではあらゆる業務に汎用的に使えるAIはない。ルーティンワークは人間より素早く確実に処理できるが、臨機応変な対応や創造性が求められる仕事は苦手だ。「何でもやってくれるコンシェルジュ」にはほど遠い。また、ひと口に「AI」と言われているが、実際には機械学習や自然言語処理などの成熟度の異なる技術の集合体である。

 すなわち、業務のルーティン性と技術の成熟度がともに高い仕事はAIの期待効果が大きく、加えて業務量が多いほどAI導入の優先順位は高くなる(図)。

 例えば、将来予測や顧客プロファイリングの仕事は現行の機械学習技術で十分対応でき、かつ事業ボリュームも大きいため、優先順位は高い。一方、稟議書などの書類作成業務はある程度定型化が可能だが、文章生成技術が業務レベルには達していないため、AI導入は今後の技術の進捗次第で判断する。

 さて、マーケティング分野に話を戻そう。AI活用で明らかに期待できる効果は業務効率化である。当社試算では、現行のAI技術を導入すれば、マーケティング担当者が行っている煩雑な分析の日数を1/5以下に短縮可能である。これにより、AIが苦手とする事業企画などの仕事に対してマーケティング担当者の投入時間を増やすことができ、創造性が求められる仕事に注力できる。 AIをうまく活用することで、顧客に提供する独自の価値を高め、競争力強化につなげたい。
[図]AI導入の優先順位を決定

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