消費が低迷する中、「格安」をうたうサービスが人気だ。格安航空会社(LCC)もその一つである。国土交通省によれば、国内線に占めるLCCのシェアは、サービスを開始した2012年の2.1%と比べて、2015年は10.0%と約5倍の水準だ。交通政策基本計画でも2020年のLCCシェアの目標を国内線14%、国際線17%と定めており、今後さらにLCC需要が拡大することが予想される。
こうした格安サービスを利用するのは誰か。LCCの利用者を分析してみよう。LCCを「過去1年間に利用した」「1年以上前に利用したことがある」の合計割合を年収別に見ると「600万円未満」が11%であるのに対し、「600万以上1,200万円未満」は15%、「1,200万円以上」では19%に達する※1。意外にも低所得者より中高所得者のほうが利用者の割合が高いことがわかった。旅行頻度別の分析も興味深い。「宿泊を伴う国内旅行」の頻度が高いほどLCC利用経験の割合が高くなる傾向がある(図)。
彼らは航空機に乗り慣れ、航空サービスに対する知識(旅行リテラシー)をもつ。そのため、自分にとって必要な機能や価値を見極め、その部分だけに対価を払う。例えば、現地での観光を充実させたいと考える場合、航空機に乗ることはあくまでも現地への移動手段となり、席の広さや軽食サービスはさほど重要ではない。目的に合わせて「合理的」にLCCを選択しているのだ。
必要性を見極めて購入(利用)を考える「スマート消費(賢い消費)」が進展しようとしている。スマート消費に対応する「ノーフリルサービス(付帯サービスをなくし、基本サービスのみを提供)」は、LCC以外のサービスにも広がりをみせる。スマホでは格安SIMが順調に売り上げを伸ばしているのもよい例だ。これもITリテラシーが高い消費者を対象としたサービスであり、彼らにとって不要なサービスを省くことで、従来サービスの半分以下の低価格を実現する。ネット銀行、ネット証券も同様の事例だ。
リテラシーの高い消費者に対して、企業は、彼らの視点に立って自社サービスの内容をその必要性から吟味し、再構成することが重要である。
こうした格安サービスを利用するのは誰か。LCCの利用者を分析してみよう。LCCを「過去1年間に利用した」「1年以上前に利用したことがある」の合計割合を年収別に見ると「600万円未満」が11%であるのに対し、「600万以上1,200万円未満」は15%、「1,200万円以上」では19%に達する※1。意外にも低所得者より中高所得者のほうが利用者の割合が高いことがわかった。旅行頻度別の分析も興味深い。「宿泊を伴う国内旅行」の頻度が高いほどLCC利用経験の割合が高くなる傾向がある(図)。
彼らは航空機に乗り慣れ、航空サービスに対する知識(旅行リテラシー)をもつ。そのため、自分にとって必要な機能や価値を見極め、その部分だけに対価を払う。例えば、現地での観光を充実させたいと考える場合、航空機に乗ることはあくまでも現地への移動手段となり、席の広さや軽食サービスはさほど重要ではない。目的に合わせて「合理的」にLCCを選択しているのだ。
必要性を見極めて購入(利用)を考える「スマート消費(賢い消費)」が進展しようとしている。スマート消費に対応する「ノーフリルサービス(付帯サービスをなくし、基本サービスのみを提供)」は、LCC以外のサービスにも広がりをみせる。スマホでは格安SIMが順調に売り上げを伸ばしているのもよい例だ。これもITリテラシーが高い消費者を対象としたサービスであり、彼らにとって不要なサービスを省くことで、従来サービスの半分以下の低価格を実現する。ネット銀行、ネット証券も同様の事例だ。
リテラシーの高い消費者に対して、企業は、彼らの視点に立って自社サービスの内容をその必要性から吟味し、再構成することが重要である。
※1:当社の「生活者市場予測システム(mif) 」(2016年アンケート)に基づく。