新型コロナウイルス感染症の急激な拡大とそれへの対応は、「新しい生活様式」の誘因となり、日本の生活・社会・経済を変える機会ともなりえる。こうした感染症は将来も決して根絶できるものではなく、人類は覚悟をもって感染症と共存していくことが求められ、「ポストコロナ」の時代にどのように経済社会を営んでいくかが問われている。
コロナ禍では、東京や大阪など大都市圏への人口集中、インバウンド観光頼みの地方再生などに潜むリスクが顕在化した。産業・経済面では、医療用マスクなど必要物資の供給不足に加え、大都市のオフィス勤務を前提とした働き方の弱点も浮き彫りになった。非常時に繰り返される「買いだめ」など、個人の非合理的な行動も見られた。
従来の政策・手法では対処しきれない社会・地域課題に対して、政治や行政の弾力性・機動性不足も表面化した。工業化社会において効率性を追求したことが、結果的に非常時の脆弱性を増長した面もある。日本の科学・デジタル技術は最先端を走っているが、社会や人々の生活様式は、いまだ工業化社会の習慣から脱却できていない。
1億総活躍社会、人生100年時代といった掛け声はあっても、目に見えた社会変革には至っていない。今回のコロナ禍は、物質的な豊かさを目指した工業化社会モデルから、21世紀型の社会モデルに転換する契機となる可能性がある。パンデミック対応はもとより、豊かで持続可能な社会モデルの実現を目指すべきである。
コロナ禍では、東京や大阪など大都市圏への人口集中、インバウンド観光頼みの地方再生などに潜むリスクが顕在化した。産業・経済面では、医療用マスクなど必要物資の供給不足に加え、大都市のオフィス勤務を前提とした働き方の弱点も浮き彫りになった。非常時に繰り返される「買いだめ」など、個人の非合理的な行動も見られた。
従来の政策・手法では対処しきれない社会・地域課題に対して、政治や行政の弾力性・機動性不足も表面化した。工業化社会において効率性を追求したことが、結果的に非常時の脆弱性を増長した面もある。日本の科学・デジタル技術は最先端を走っているが、社会や人々の生活様式は、いまだ工業化社会の習慣から脱却できていない。
1億総活躍社会、人生100年時代といった掛け声はあっても、目に見えた社会変革には至っていない。今回のコロナ禍は、物質的な豊かさを目指した工業化社会モデルから、21世紀型の社会モデルに転換する契機となる可能性がある。パンデミック対応はもとより、豊かで持続可能な社会モデルの実現を目指すべきである。