新型コロナウイルス感染症の深刻な影響が続く中でも、ESG投資の増勢が続いている。投資のパフォーマンスも良好で、GPIF※1が選定したESG指数は、直近3年間でTOPIX※2を上回る伸びを示している。電気自動車で世界をリードするテスラの時価総額がトヨタを抜いて自動車業界首位に立った背景にも、ESG投資の隆盛がある。
こうした動きをどう見るべきか。ESG投資の背景には、リーマンショックに象徴されるマネーゲームや株主利益至上主義への反省がある。顧客や社会などを株主よりも上位に位置づけるマルチステークホルダーの考え方が主流になりつつあった中で、コロナが発生した。投資家目線からは、温暖化・環境(E)の問題に加えて、衛生・健康、雇用・格差といった社会(S)の問題がクローズアップされることになる。
感染症対策による接触・移動制限は、日常生活を支える各分野のオンライン化を促し、それがポストコロナ社会のニューノーマル(新常態)となることは確実だ。目指すべきは、コロナ以前の姿に戻すことではなく、より良い社会を実現する(Build Back Better)ことである。実際、コロナ禍を契機に、世界の大多数の人がより持続可能で公平な社会に変化することを望んでいるとの調査結果※3もある。
拡大続くESG投資には、こうした復興を後押しする役割が期待される。その投資判断基準には、財務面だけでなく投資先企業の質的な要素が含まれるのが特徴で、ESGの指標となる各項目の開示が推奨されている(表)。企業経営の潮流がESG重視に向かっている文脈でも、開示を通じて企業の姿勢を表明することが市場と社会の支持に結びつく。それはイメージにとどまらず、中長期的には業績とも相関関係にあり、ESG投資の高いパフォーマンスがそれを裏づけているとの見方も多い。
日本はESG投資で諸外国の後塵(こうじん)を拝してきた。コロナからのBuild Back Betterはこの流れを変える転機となる可能性がある。資金調達者・供給者(投資家)の双方がESG情報への関心を高め、開示内容の充実を図ることが市場の拡大をもたらす。ひいては、それが企業経営と資本主義のニューノーマルとなるのではないか。
こうした動きをどう見るべきか。ESG投資の背景には、リーマンショックに象徴されるマネーゲームや株主利益至上主義への反省がある。顧客や社会などを株主よりも上位に位置づけるマルチステークホルダーの考え方が主流になりつつあった中で、コロナが発生した。投資家目線からは、温暖化・環境(E)の問題に加えて、衛生・健康、雇用・格差といった社会(S)の問題がクローズアップされることになる。
感染症対策による接触・移動制限は、日常生活を支える各分野のオンライン化を促し、それがポストコロナ社会のニューノーマル(新常態)となることは確実だ。目指すべきは、コロナ以前の姿に戻すことではなく、より良い社会を実現する(Build Back Better)ことである。実際、コロナ禍を契機に、世界の大多数の人がより持続可能で公平な社会に変化することを望んでいるとの調査結果※3もある。
拡大続くESG投資には、こうした復興を後押しする役割が期待される。その投資判断基準には、財務面だけでなく投資先企業の質的な要素が含まれるのが特徴で、ESGの指標となる各項目の開示が推奨されている(表)。企業経営の潮流がESG重視に向かっている文脈でも、開示を通じて企業の姿勢を表明することが市場と社会の支持に結びつく。それはイメージにとどまらず、中長期的には業績とも相関関係にあり、ESG投資の高いパフォーマンスがそれを裏づけているとの見方も多い。
日本はESG投資で諸外国の後塵(こうじん)を拝してきた。コロナからのBuild Back Betterはこの流れを変える転機となる可能性がある。資金調達者・供給者(投資家)の双方がESG情報への関心を高め、開示内容の充実を図ることが市場の拡大をもたらす。ひいては、それが企業経営と資本主義のニューノーマルとなるのではないか。
※1:年金積立金管理運用独立行政法人。
※2:東証株価指数。
※3:世界経済フォーラムのためにイプソスが実施した調査結果(2020年9月16日公表)による。