近年の調査で、月面にはレアメタルの化合物のほか、水が氷などの形で存在していることが分かってきた。こうした「宇宙資源」を巡ってベンチャー企業などによる競争が活発化している※1。一方、将来的に民間衛星同士の衝突事故や利権をめぐる係争が発生する懸念もあり、その時に備えて今からルール形成に取り組む必要がある。そのカギは「ソフトロー」と呼ばれる概念だ。
※1:MRIマンスリーレビュー 2018年2月号「日本企業が参入すべき『宇宙資源ビジネス』」
※2:その内1つは1967年に採択された最初の条約である「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(通称:宇宙条約)」。他の4つは次の通りである:「宇宙救助返還協定」(1968年)、「宇宙損害責任条約」(1972年)、「宇宙物体登録条約」(1975年)、「月その他の天体における国家活動を律する協定(月協定)」(1979年)。
※3:“NASA Welcomes Nigeria, Rwanda as Newest Artemis Accords Signatories”(NASA)
https://www.nasa.gov/
※4:表1の安全保障貿易管理がこれに当たる。
※5:日本では、民間企業が宇宙空間で採取した資源について、国として所有権を認めることを定めた宇宙資源法(「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」)が2021年6月に成立している。
※6:表1のインコタームズを適用する場合は、契約書へ引用する。