現在、原子力発電所の開発・建設について政府は方針策定に向けて動き始めている。2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針※2」では、「エネルギー基本計画を踏まえて原子力を活用していくため、原子力の安全性向上を目指し、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む」と記載されている。また、2023年5月に行われたG7広島首脳サミット※3でも「高度な安全システムを有する小型モジュール炉及びその他の革新炉などの原子炉の開発及び建設の支援」と、次世代炉導入に取り組む意向が宣言されている。日本の原子力政策は次世代炉の開発・導入に向け動き出すフェーズに移行したと言える。
このような潮流の中、次世代炉導入は各炉の技術的特徴・役割等を中心に複数の評価軸で議論が進められているが、次世代炉の再処理方針を含む「核燃料サイクル」の今後の在り方や開発方針については依然として言及されていない。