マンスリーレビュー

2019年4月号トピックス2次世代インフラ

空飛ぶクルマが日本の空を走るために

同じ月のマンスリーレビュー

タグから探す

2019.4.1

次世代インフラ事業本部桑島 功

次世代インフラ

POINT

  • 空飛ぶクルマが国内外で注目。有人、無人の試行運用も盛んに。
  • 日本でも、まず有人飛行に関するルールづくりが求められる。
  • ドローン飛行の議論も踏まえて早期かつ安全な運用ルールの策定を。 
空飛ぶクルマに世界の注目が集まっている。地上面の移動だけでなく、より目的地に早く到着するために、物理的に制約の少ない空を移動するニーズが高まっている。

空飛ぶクルマの明確な定義はないが、一般に「電動」「自動」「垂直離着陸」ができる航空機を指す。日本では経済産業省が「空の移動革命に向けた官民協議会」を立ち上げ研究開発を支援しており、同協議会の参加団体・企業などによる開発が進んでいる。2020年東京五輪でのトライアル飛行や2020年代半ばの事業スタートを目指している企業もあるが、世界に比べると遅れ気味だ。ドバイやシンガポールでは2019年度にも空飛ぶクルマを使ったタクシーの試行運用が計画されており、近々に実導入が始まってもおかしくない状況にある。

海外での試行運用の状況を見ると、操縦者が搭乗した運用と遠隔操縦による運用の2通りが想定されている。さらに今後は、将来の「完全自動運転化」に向けて段階的に試行運用が進むだろう。現在実証が進んでいる2通りの方式のうち、操縦者が乗る空飛ぶクルマに関しては、日本でも早期に導入が進む可能性がある(図)。今後に備えて運行環境や運用面に関する整備、機体の安全性確保*1、さらには操縦士免許*2のあり方などの運用ルールを早期に検討開始する必要がある。

遠隔操縦や将来の無人飛行に向けて、現在急ピッチで進められているドローン飛行に関するルールづくりが参考になる。目視外(操縦者が肉眼で監視していない状態)で第三者の上空(操縦者とその関係者以外の人の上空)を飛行する際の規定など安全性を担保するための要件が時間をかけて検討されている。ここでの知見を糧に、日本で要求される高い安全要件に正対しつつ、空飛ぶクルマの安全性と利便性を共存させたルールの実現を目指す必要がある。

日本企業による開発促進の観点からも空飛ぶクルマのルールづくりが急がれる。日本の土地や風土に応じたルール整備を進めるために、特区を活用し実証実験に着手するなど、さまざまな施策に取り組む必要があるだろう。
[図]日本の空飛ぶクルマ「SkyDrive*」の航行イメージ

*1:耐空証明・型式証明取得を含む。

*2:乗員側と地上の管制側の両面でルールづくりが必要となる。

バックナンバー

関連するナレッジ・コラム

もっと見る
閉じる