原子力発電所から発生した使用済燃料は、燃料として再利用する核種を取り出すための再処理や、放射性廃棄物として処分するまでの一定期間、使用済燃料プールや乾式キャスクに貯蔵して管理する必要がある。図1に発電所から発生した使用済燃料の貯蔵および再処理・処分の流れを示す1)。六ヶ所村の再処理工場が本格稼働してないわが国では、そのほとんどが再処理されずに貯蔵されたままである。貯蔵場所は、原子力発電所の敷地内または敷地外のいずれかとなるが、その選択は電気事業者の固有の条件により異なっている。
これまでわが国においては、資源の有効利用などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としてきた。しかしながら、福島第一原子力発電所の事故以来、日本の原子力発電を取り巻く環境が変化し、核燃料サイクルのあり方に対して見直しを求める意見も目立つようになってきた。これらも踏まえて、原子力委員会は平成24年6月に、再処理を行わず直接処分を可能とするための技術開発や所要の制度措置の検討に早急に着手すべきであるとの決定を下した2)。また、再処理して回収したプルトニウムを燃料として使用する高速増殖炉もんじゅに関して、度重なる事故やトラブルを背景に、廃炉も選択肢として、開発の抜本的な見直しを行う方針が原子力関係閣僚会議で確認された3)。
もんじゅが仮に廃炉となった場合、既にわが国が保有している余剰プルトニウムをどのように消費していくのかといった課題や、今後既設の原子力発電所の再稼働が進んだ場合、使用済燃料がさらに増加していく課題が健在化する。これら課題解決に向けた取り組みは待ったなしの状況にある。
これまでわが国においては、資源の有効利用などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としてきた。しかしながら、福島第一原子力発電所の事故以来、日本の原子力発電を取り巻く環境が変化し、核燃料サイクルのあり方に対して見直しを求める意見も目立つようになってきた。これらも踏まえて、原子力委員会は平成24年6月に、再処理を行わず直接処分を可能とするための技術開発や所要の制度措置の検討に早急に着手すべきであるとの決定を下した2)。また、再処理して回収したプルトニウムを燃料として使用する高速増殖炉もんじゅに関して、度重なる事故やトラブルを背景に、廃炉も選択肢として、開発の抜本的な見直しを行う方針が原子力関係閣僚会議で確認された3)。
もんじゅが仮に廃炉となった場合、既にわが国が保有している余剰プルトニウムをどのように消費していくのかといった課題や、今後既設の原子力発電所の再稼働が進んだ場合、使用済燃料がさらに増加していく課題が健在化する。これら課題解決に向けた取り組みは待ったなしの状況にある。
図1 使用済燃料(SF)の貯蔵および再処理・処分の流れ※1