洋上風力が主力電源となるためには、コスト競争力を持つ電源となることが大前提となる。また、COVID-19や国際秩序の不安定化等の新たなリスクの顕在化により、グローバル市場におけるサプライチェーン戦略の再構築とエネルギー安全保障の重要性が高まる中、国内産業育成を同時に実現していくことが求められている。
現在洋上風力は、国の公募により開発事業者の選定が進められている。この公募評価制度では、価格を最も重要な要素とすることを原則としつつ、エネルギー安定供給の観点から国内サプライチェーンの多様化を促す評価体系を取っている。本枠組みはコスト低減と国内産業育成の両立を効果的に実現するものである。
一方で、2021年12月末に公表された「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」における事業者選定結果(以下、3海域入札)を踏まえて、公募評価制度において改善すべき点も明らかとなった。
本コラムでは、国における洋上風力の公募評価制度の見直しに関する検討(以下、総括資料)※1において持つべき視点や論点(表1)を提言する。