20世紀の工業化と経済成長により豊かな社会と長寿を享受した先進諸国は、成長から成熟の局面に移行し、地球温暖化、少子高齢化などが切実な問題となりつつある。新興諸国は、人口爆発と経済成長に加えて環境保全とも調和を図りつつ貧困から脱することが課題であり、それは世界全体の課題でもある。21世紀、世界人口100億人の時代を展望し、リソースの利用効率を飛躍的に高め、すべての国で「量」の充足と多様な要素をもつ「質」(=QOL)の改善を目指す。かけがえのない地球環境を維持し持続可能な社会の実現に向け、複雑な社会課題の解決に知恵を絞り汗を流すことが、人類共通のテーマとなる。
知識、イノベーション、ビジネスの組み合わせ
従来、社会課題の解決は政府の責任と意識され、多くの資金と資源が投入されてきた。しかし、先進諸国が財政困難と高齢化の時代を迎え、新興国でも一部に減速の兆しがみえる一方、資源・地球環境への配慮の必要性はますます高まる。モノ、カネ、エネルギーなど有限の物量に依存するモデルが限界に達した今、21世紀の課題解決は、無限の持続性と発展性を備えた知恵・知識を出発点とすべきである。
幸い、解決の原動力となる技術面では、ICT分野を中心に画期的な革新が続いている。大量・高速・低コストのデータ処理能力とこれに裏づけられたAI、ロボティクスなどの高度化により、従来の想像を超える画期的(破壊的)なイノベーションが次々と生まれている。社会課題の解決にも、そうした新技術を起点に、ビジネスとして成立・持続できるモデルにより民間セクターの企業家精神とスピードを最大限引き出すのが合理的である。政府・公共部門はそのサポートに徹するのがよい。
もっとも、解決すべき社会課題もまた多様化・複雑化している。社会・制度など技術だけでは解決できない要素もあり、また私企業として取り得るリスクの限界もある。だからこそ、既成概念にとらわれないスタートアップの発想や技術と大企業の事業実現力を組み合わせ、さらには規制改革や社会の受容性の検証など、産官学連携による「オープンイノベーション」が社会課題解決への有効な手法となると考えられる。
幸い、解決の原動力となる技術面では、ICT分野を中心に画期的な革新が続いている。大量・高速・低コストのデータ処理能力とこれに裏づけられたAI、ロボティクスなどの高度化により、従来の想像を超える画期的(破壊的)なイノベーションが次々と生まれている。社会課題の解決にも、そうした新技術を起点に、ビジネスとして成立・持続できるモデルにより民間セクターの企業家精神とスピードを最大限引き出すのが合理的である。政府・公共部門はそのサポートに徹するのがよい。
もっとも、解決すべき社会課題もまた多様化・複雑化している。社会・制度など技術だけでは解決できない要素もあり、また私企業として取り得るリスクの限界もある。だからこそ、既成概念にとらわれないスタートアップの発想や技術と大企業の事業実現力を組み合わせ、さらには規制改革や社会の受容性の検証など、産官学連携による「オープンイノベーション」が社会課題解決への有効な手法となると考えられる。