第1回コラムでは、地域の課題を解決するファクターとして、①域内の経済循環促進、②住民の行動変容・社会活動参加の促進、③福祉サービスの負担軽減・社会参加機会の拡大、の3つを挙げた。これらを自治体に当てはめると、①は商工部署によるデジタル商品券の発行、②は企画部署による電子ポイント事業の展開、③は福祉部署による給付のデジタル化など、対応は所管の部署によって分かれている。
現実的な個別事例を積み上げていく意義もあるが、個別対応は2つの点で課題が生じやすい。第1に、各部署の個別最適化が、システム投資の重複による非効率につながる可能性があるほか、利用者サイドからみれば、複数のアプリを入れてそれぞれ利用しなければならず利便性の低下を招く。第2に、個別部署目線が強くなり、「消費や分配など多様な形での地域内資金循環が起こることが地域活性化・課題解決に資する」という、本来持つべき全体像の視点が薄くなる恐れがある。
全体最適の観点から、コストメリットや住民利便性、またEBPM(エビデンスに基づく政策立案)としてのデータ分析活用などを含め、戦略的に自治体DXを推進することが期待される(図1)。
現実的な個別事例を積み上げていく意義もあるが、個別対応は2つの点で課題が生じやすい。第1に、各部署の個別最適化が、システム投資の重複による非効率につながる可能性があるほか、利用者サイドからみれば、複数のアプリを入れてそれぞれ利用しなければならず利便性の低下を招く。第2に、個別部署目線が強くなり、「消費や分配など多様な形での地域内資金循環が起こることが地域活性化・課題解決に資する」という、本来持つべき全体像の視点が薄くなる恐れがある。
全体最適の観点から、コストメリットや住民利便性、またEBPM(エビデンスに基づく政策立案)としてのデータ分析活用などを含め、戦略的に自治体DXを推進することが期待される(図1)。
図1 個別最適DX(左)と全体最適DX(右)