2019年ラグビーW杯、2020年東京五輪、2025年大阪・関西万博と国内において大きな国際イベントが続く。イベントの成功に向けて、点在する会場のオペレーションに目が行きがちであるが、観客のアクセス動線までを含む周辺エリアを対象として、安全・安心、快適性を面的(広範)に担保する仕組みこそが必要である。その一例が、東京都が2020年東京五輪に向けて設置する「都市オペレーションセンター」(City Operation Centre:COC)である。
COCは「総合的な連絡調整」と「競技会場等周辺対応」の二つの機能を提供する(図)。前者は各種の都市情報(ライフライン、交通情報、サイバーセキュリティ、感染症発生状況など)を集約・分析し、イベント主催者や国に伝達する。大会期間中に災害やテロ、サイバー攻撃、感染症などの危機的事態が発生したときは、既存の危機管理体制にシームレスかつ迅速に情報を引き継ぐ役割も果たす。一方、「競技会場周辺対応」では最新技術を活用してラストマイル(最寄り駅から競技会場までの観客歩行ルート)を安全に保つ。気象予測情報の活用、セキュリティカメラによる群衆行動の解析、SNSの常時監視なども行い、ラストマイルの安全確保に役立てる※1。
2025年大阪・関西万博においては、立地特性や今後の技術進展を見据えると、COCの存在意義がさらに増すと考えられる。例えば、会場のある夢洲に来場者が一極集中した場合、テロなどの危機管理が重要になる。「AR・VRを駆使してバーチャルで80億人が参加」を目指すことから※2。サイバーディフェンスの強化も求められる。物理・サイバーの両空間で安全・安心、快適性を守るCOCは必要不可欠となろう。
数千万人が来訪する国際ビッグイベントは、日本の都市運営や危機管理のレベルを一段引き上げる絶好の機会となる。ここで培った技術、制度、連携体制を既存体制に組み込み、常態化させることが肝要である。東京・大阪におけるCOCの実績は、国際イベントの誘致を目指す他都市が安全・快適な未来都市づくりを進める上での格好の試金石となるだろう。
COCは「総合的な連絡調整」と「競技会場等周辺対応」の二つの機能を提供する(図)。前者は各種の都市情報(ライフライン、交通情報、サイバーセキュリティ、感染症発生状況など)を集約・分析し、イベント主催者や国に伝達する。大会期間中に災害やテロ、サイバー攻撃、感染症などの危機的事態が発生したときは、既存の危機管理体制にシームレスかつ迅速に情報を引き継ぐ役割も果たす。一方、「競技会場周辺対応」では最新技術を活用してラストマイル(最寄り駅から競技会場までの観客歩行ルート)を安全に保つ。気象予測情報の活用、セキュリティカメラによる群衆行動の解析、SNSの常時監視なども行い、ラストマイルの安全確保に役立てる※1。
2025年大阪・関西万博においては、立地特性や今後の技術進展を見据えると、COCの存在意義がさらに増すと考えられる。例えば、会場のある夢洲に来場者が一極集中した場合、テロなどの危機管理が重要になる。「AR・VRを駆使してバーチャルで80億人が参加」を目指すことから※2。サイバーディフェンスの強化も求められる。物理・サイバーの両空間で安全・安心、快適性を守るCOCは必要不可欠となろう。
数千万人が来訪する国際ビッグイベントは、日本の都市運営や危機管理のレベルを一段引き上げる絶好の機会となる。ここで培った技術、制度、連携体制を既存体制に組み込み、常態化させることが肝要である。東京・大阪におけるCOCの実績は、国際イベントの誘致を目指す他都市が安全・快適な未来都市づくりを進める上での格好の試金石となるだろう。
※1:当社は、大会本番に向けた都市オペレーションセンター(COC)の運営のための取り組みを支援している。