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2020年1月号トピックス5経営コンサルティング

「ミレニアル世代」が変える働くことの意味

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2020.1.1

キャリア・イノベーション本部瀬川 秀俊

経営コンサルティング

POINT

  • 2025年、新たな就労観をもつ「ミレニアル世代」が労働者の半数に。
  • 雇用の概念と働く環境が変わり、仕事の自由度と自律性が飛躍的に高まる。
  • 個人の活動が活発化・多様化することで、さらに人生が豊かになる。
2000年代に成人した「ミレニアル世代」の人たちは、それまでの世代とは異なる就労観をもっている。ミレニアル世代の約半数は現在の勤務先で働き続ける期間を「2年以内」と見込んでおり、自分の選んだキャリアで幹部になることを人生の目標に掲げる人の割合は少ない※1。日本のミレニアル世代以降が労働力人口の半数を超え始める2025年以降は、一つの会社で一生勤めあげる従来型のキャリア志向者は少数派となり、働くことの意味は大きく変わる(図)。

すでにその兆候は表れている。2019年に実施した当社の調査では、正社員の4割以上が副業意向※2をもっていた。副業による活動を含む広義のフリーランサーの数は1,000万人以上との調査結果もある※3。趣味の延長で起業する若者やパラレルワーカー※4も増加している。働き方の自由度拡大の動きと連動して、令和の時代は、組織に管理されるのではなく自らをマネジメントする概念がスタンダードになる。

この考え方が浸透し働き手の意識が変わると、企業も働く場や組織の仕組みを変えざるを得ない。場所や時間を問わず仕事ができるフリーアドレスやリモートアクセスなどの環境整備を進める企業が増え、管理職の廃止、管理部門の大幅な縮小などにより社員自身の主体的な活動を促す取り組みも注目されつつある。

新たな時代に、若年層からシニア層までを含めた就業者には何が求められるのか。例えば、「仕事」を広義に捉えてみよう。プロボノ活動※5や趣味活動など、お金を稼ぐことを目的としない活動も「仕事」に含めて考えると、それぞれの境界は明確ではない。活動領域を越境することで新たなビジネスにつながったり、相互に関係づけることで相乗効果を生じさせる可能性もある。

お金を稼ぐ活動、地域に貢献する活動など、自分の活動をこれまで以上に己の価値観やライフステージにあわせて選択することが可能になれば、最適なポートフォリオを組みやすくなり、より個人が輝ける時代が来るに違いない。そのとき「仕事」は、私たちの人生をさらに豊かなものにしてくれるのではないだろうか。

※1:日本のミレニアル世代の「現在の勤務先で働き続ける期間」の長さは、世界の他の国と同程度であるが、自分の選んだキャリアで幹部になることを人生の目標に掲げる人の割合は日本では4人に1人、他国の平均(3人に1人)より少ない傾向にある。デロイト「2019年 デロイト ミレニアル年次調査」(2019年)。 

※2:当社「生活者市場予測システム(mif)」(2019年):「副業をする(本業とは別に収入を得る仕事がある)」との問いに対して「今後(もしくは引き続き)そうしたい」と答えた人の割合。回答者は20~69歳の会社員(正社員)・団体職員。

※3:副業・兼業として業務委託で仕事をするフリーランスを含む。ランサーズ「フリーランス実態調査 2018年版」(2018年)。

※4:仕事を掛けもつことで、複数の収入源を持つ人。

※5:もっている知識やスキルを活かして、社会に貢献するボランティア活動。

[図]労働力人口全体に占めるミレニアル世代移行とそれより年配の世代の割合推移

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