これまでテクノロジー活用が遅れているとされてきたHR領域だが、昨今、採用や給与計算、労務管理などでテクノロジーの活用が進んでいる。これらHR領域におけるテクノロジー全般は「HR-Tech」と呼ばれ、人事業務に浸透しつつある。
HR-Techの1つとして、タレントマネジメントシステムがある。人材データを一元管理し、人材の教育や成長、ひいては組織の成長を促すものである。加えて、近年ではデータを活用してタレントマネジメントシステムの機能を用いてAIを構築することも可能となってきており、各社での導入が進んでいる。
ただし、やみくもにツールを導入する、あるいは、データを投入するだけでは当然本来の意味でのタレントマネジメントを行っているとはいえない。HR総研が実施したアンケートによると、「効果を実感した項目」として「戦略的な人材育成」を挙げた企業が17%、「ヘルスチェック(メンタル)」を挙げた企業が4%※1と、現状ではまだまだ各社が十分にタレントマネジメントを実践できているとはいえない。せっかくのテクノロジーを有効に活用するために、実践的な人事施策にまで繋げることを意識しておくことが重要である。