首都圏などでも緊急事態宣言が解除され、日常生活への制約は緩和される方向に向かい始めた。が、海外の例からも明らかなように、警戒を緩めることが第二波、第三波のリスクに結びつく。現時点の諸外国との対比で見ると、死亡者数が少ないのが日本の特徴で、人口100万人あたりの累積死亡者数は5.9人と欧米諸国よりも2ケタ少ない(表)。その理由には諸説あるがまだ解明されず、有効なワクチン開発のめどが立っていない現状では、効果的で負担が少ない感染抑制方法の開発を含め、警戒を緩めずに試行錯誤を続けることが求められる。
今後の対策で考慮すべきは、新型コロナウイルス感染症では感染者の数と実際に重い症状が発生する人の数が大きく異なること(そこが2003年に流行したSARSとの大きな違い)、それでいて症状が悪化に転じてから重篤化するまでの時間が短いこと、さらに最もやっかいなのは、感染したが症状の発生していない人(無症状の感染者)も、周囲の人に対しては感染源となりうることである。つまり、無症状の感染者を把握し、一定期間の隔離など必要な措置を講じることが、感染拡大と重篤者・死者の発生を防ぐ喫緊のテーマとなる。
そのため、すでに開始されているPCR検査数の増加、検査方法や確認に要する期間の短縮に加えて、抗原検査、抗体検査なども議論されてはいるが、いずれも決定打とまでは言えないようだ。結局、ワクチンや特効薬が開発されるまで、無症状の感染者が相当数存在することを前提に、重症化する感染者が急増しないようコントロールしていくという守りの対応を続けるほかないであろう。
今後の対策で考慮すべきは、新型コロナウイルス感染症では感染者の数と実際に重い症状が発生する人の数が大きく異なること(そこが2003年に流行したSARSとの大きな違い)、それでいて症状が悪化に転じてから重篤化するまでの時間が短いこと、さらに最もやっかいなのは、感染したが症状の発生していない人(無症状の感染者)も、周囲の人に対しては感染源となりうることである。つまり、無症状の感染者を把握し、一定期間の隔離など必要な措置を講じることが、感染拡大と重篤者・死者の発生を防ぐ喫緊のテーマとなる。
そのため、すでに開始されているPCR検査数の増加、検査方法や確認に要する期間の短縮に加えて、抗原検査、抗体検査なども議論されてはいるが、いずれも決定打とまでは言えないようだ。結局、ワクチンや特効薬が開発されるまで、無症状の感染者が相当数存在することを前提に、重症化する感染者が急増しないようコントロールしていくという守りの対応を続けるほかないであろう。