これからの50年、日本は急激な人口減少となる一方で世界の人口は100億人に達します。また、平均寿命の延伸により、先進国を中心に人生100歳時代を迎えます。そのなかで、私たちは気候変動、環境や資源の制約、感染症といった持続可能性の危機、格差や分断など、地球規模の課題に向き合い、100億人が豊かさを実感できる社会を構想しなければなりません。
当社では、2021年1月に公表した50周年記念研究※1・※2において、豊かさの定義を「量的な成長」から個人が生み出す価値に着目する「一人ひとりのウェルビーイング」に進化させ、豊かさと持続可能性が両立する社会を実現するためのビジョンと方策を示しました。この社会を実現するために鍵となる2つのファクターが、「3X」と「共領域」となります。
「3X」は、デジタル、バイオ、コミュニケーションの3つの領域の革新技術による社会変革(トランスフォーメーション)です。デジタル領域の技術群によるDX(デジタル革命)が、現在進行形でビジネスや生活を大きく変えていることは周知の通りです。同様に、BX(バイオ革命)では、人の健康、農業や自然、動植物など、生命活動を広く扱うライフサイエンス領域における技術が進歩を遂げています。さらに、コロナ禍で急速に進んだオンラインコミュニケーションの先には、人のつながり方や、コミュニケーションの姿の大きな変容が待ち受けています。これが、CX(コミュニケーション革命)です。一方、「共領域」は、3Xにより実現する、一人ひとりの自由な活動と多層的なつながりを可能とする未来のコミュニティです。このコミュニティは、目的を共有する多様な人々が地理的、時間的な制約を超えて集い、価値を創造し、新たな産業を生み出す場となります。
当社では、2021年1月に公表した50周年記念研究※1・※2において、豊かさの定義を「量的な成長」から個人が生み出す価値に着目する「一人ひとりのウェルビーイング」に進化させ、豊かさと持続可能性が両立する社会を実現するためのビジョンと方策を示しました。この社会を実現するために鍵となる2つのファクターが、「3X」と「共領域」となります。
「3X」は、デジタル、バイオ、コミュニケーションの3つの領域の革新技術による社会変革(トランスフォーメーション)です。デジタル領域の技術群によるDX(デジタル革命)が、現在進行形でビジネスや生活を大きく変えていることは周知の通りです。同様に、BX(バイオ革命)では、人の健康、農業や自然、動植物など、生命活動を広く扱うライフサイエンス領域における技術が進歩を遂げています。さらに、コロナ禍で急速に進んだオンラインコミュニケーションの先には、人のつながり方や、コミュニケーションの姿の大きな変容が待ち受けています。これが、CX(コミュニケーション革命)です。一方、「共領域」は、3Xにより実現する、一人ひとりの自由な活動と多層的なつながりを可能とする未来のコミュニティです。このコミュニティは、目的を共有する多様な人々が地理的、時間的な制約を超えて集い、価値を創造し、新たな産業を生み出す場となります。
図1 3Xの概念
この「3X」と「共領域」は、50年後の未来に忽然と現れるものではなく、これからの50年を通じた技術進化とともに人、社会のありさまを変容させていく推進力となるものです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、私たちの価値観や生活・行動様式を極めて短期間に転換しました。パンデミックが収束した後、私たちは「コロナ以前」の行動・生活に戻るだけでしょうか? それとも、この経験を前向きに活かして、新たな社会を築き上げていくことができるでしょうか? 今、私たちはその分岐点に立っています。