将来の脱炭素化の切り札としてEVの普及拡大が期待される。搭載する蓄電池の充放電機能が日本での電力の安定供給を救うかもしれない。発電量に波がある再生可能エネルギーの需給を調整する切り札になりえる可能性も秘めている。しかし実際には充電コネクターの規格問題、そして意外なことに充放電時の通信機能など改善の余地がある。当シリーズではEVと電力にまつわる現状と課題を整理しつつ、日本の向かうべき方向性を示したい。
※1:J1772(Type1)、Mennekes(Type2)は普通充電器の規格のこと。
※2:電気を作る際もCO2は排出される。この電気を動力に変換して走るEVも間接的にCO2を排出していることになる。一方で、再生可能エネルギーを作る際はCO2排出がゼロであるため、このエネルギーで走行するEVは、走行時のCO2排出量がゼロと言える。
※3:チャージングポイントオペレーターの略語であり、充電ステーションを設置し、電力インフラへ接続し、充電の管理を実施する運用者のこと。
※4:電気自動車普及に向けた普通充電時のデータ連携の必要性(環境・エネルギートピックス 2021.9.17)
※5:EVグリッドワーキンググループの詳細は次の通り。
経済産業省から「EVと電力システムの統合等に関する調査」を受託(ニュースリリース 2023.7.3)