東南アジア諸国連合(ASEAN)の脱炭素化の機運が急速に高まっている。脱炭素を契機とした日本とASEANの連携強化の重要性については、MRIマンスリーレビュー2023年6月号でも触れられているが、本コラムではASEAN Center for Energy(ACE)※1に出向中の筆者が、脱炭素化をめぐるASEANの最新動向について、前編と後編の2回にわたって紹介する。
※1:エネルギー分野におけるASEAN加盟国の利益を代表するASEAN機構内の政府間組織。
※2:価格によって製品の質や特徴を伝えるもの。炭素市場では、排出削減策の実施を判断するめやすとなる。
※3:VCSは「Verified Carbon Standard」の略。世界で最も広く使用されているクレジットの認証スキーム。
※4:CORSIAは「国際民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)」の略。2021年に運用が開始され、各航空会社には、定められたルールに沿って必要量の排出枠を購入し、オフセットする義務が課されている。義務付けられたオフセット量と同量の排出ユニットを購入して、相殺を行うことが可能。