21世紀後半には世界的に人口が減少に転じるという予測もあるが、足元では依然として増加傾向にある。国連の予測では、現在76億人の世界人口は、2030年までに10億人増えて86億人となる。現時点でも8億人近い人々が十分な食料を得られておらず※1、10年余り後には18億人分の食料の確保が課題となる。いわゆる生きていくために必要となる「基礎的な食」への需要が増加する。
一方、世界的な経済の発展による1人あたり所得は伸長する。経済産業省※2によると、2010年から2030年にかけて、アジア地域における世帯ごとの年間可処分所得が35,000ドル以上の富裕層は7.3倍に、15,000~35,000ドルの上位中間層は3.6倍に増えると予測されている。所得の増加に伴い、外食をはじめとした食に関する各種サービスへの消費性向が高まるだろう。さらに健康指向が進むと、体の不具合を整えるための機能性に注目した食品や健康に良い食事が求められるようになる。「食の質」や「豊かな食」への支出が増加する見込みは高い。
食への支出増大が予想される先に、成長し続ける食の市場が見えてくる。フードビジネスの市場規模は、三菱総合研究所の推計では、国内で2009年から2030年の間に1.2倍へ、海外で2011年から2030年の間に1.7倍へと拡大し、国内と海外を合わせた世界市場は2030年に約1,400兆円へと成長する(図)。
地球の資源が有限であることを背景に、先進国では自動車をはじめとする工業製品が各家庭に行き渡り新規需要が頭打ちになる、いわゆる「人工物の飽和」という現象が起きている。しかし、人間は食べなければ生き続けることができず、人口が将来減少に向かっても豊かな食への変化などにより、フードビジネスは「飽和しない産業」として成長を続けるだろう。
一方、世界的な経済の発展による1人あたり所得は伸長する。経済産業省※2によると、2010年から2030年にかけて、アジア地域における世帯ごとの年間可処分所得が35,000ドル以上の富裕層は7.3倍に、15,000~35,000ドルの上位中間層は3.6倍に増えると予測されている。所得の増加に伴い、外食をはじめとした食に関する各種サービスへの消費性向が高まるだろう。さらに健康指向が進むと、体の不具合を整えるための機能性に注目した食品や健康に良い食事が求められるようになる。「食の質」や「豊かな食」への支出が増加する見込みは高い。
食への支出増大が予想される先に、成長し続ける食の市場が見えてくる。フードビジネスの市場規模は、三菱総合研究所の推計では、国内で2009年から2030年の間に1.2倍へ、海外で2011年から2030年の間に1.7倍へと拡大し、国内と海外を合わせた世界市場は2030年に約1,400兆円へと成長する(図)。
地球の資源が有限であることを背景に、先進国では自動車をはじめとする工業製品が各家庭に行き渡り新規需要が頭打ちになる、いわゆる「人工物の飽和」という現象が起きている。しかし、人間は食べなければ生き続けることができず、人口が将来減少に向かっても豊かな食への変化などにより、フードビジネスは「飽和しない産業」として成長を続けるだろう。