当社の推計によると、途上国や新興国の人口増加や生活水準向上により、2050年の世界食料需要は2020年比で1.3倍となる見込みだ。20世紀の技術革新で農業生産性は大幅に高まったが、自然資源の消費と窒素・リン循環阻害、将来の気候変動による生産減少も懸念される。さらに米中を中心とする世界の分断やロシアによるウクライナ侵攻など不安定な国際情勢もあいまって、食料安全保障への注目が集まっている。
日本では安全保障策として、食料自給率の引き上げが挙げられることが多い。しかし当社推計によると、現状のままで行けば生産者の大幅減を受け、2050年の農業生産額は2020年の半分にまで減少する(図)。自給率引き上げは困難と考えるのが自然だ。生産者の大規模化や経営強化、新規参入促進などを大胆に進め、現状の生産力を維持するのが精いっぱいであろう(詳細は特集2「2050年の国内農業生産を半減させないために」)。
日本では安全保障策として、食料自給率の引き上げが挙げられることが多い。しかし当社推計によると、現状のままで行けば生産者の大幅減を受け、2050年の農業生産額は2020年の半分にまで減少する(図)。自給率引き上げは困難と考えるのが自然だ。生産者の大規模化や経営強化、新規参入促進などを大胆に進め、現状の生産力を維持するのが精いっぱいであろう(詳細は特集2「2050年の国内農業生産を半減させないために」)。
[図] 目指す将来像と現状延長との違い