[文章1]
収支ともに現金100%の取引で、回収面では一部手形回収が含まれるため、支払先行の収支バランスとなっている。
平成□年△月期の運転資金分析では、棚卸資産回転期間0.1カ月、売上債権回転期間2カ月に対し、買入債務回転期間 XXXカ月と必要運転資金は2カ月分(500万円)となっている。
この資金需要には、金融機関からの借入金を織り交ぜての資金操作となっている。
回収面では、不良債権の発生はないようだ。
資金調達力については、平成□年△月期の返済原資(当期純利益+減価償却費ー社外流出額)は500万円を創出しており、返済能力は認められる。
また、社有不動産には担保設定がないことから担保余力は窺えないほか、有利子負債月商倍率は1.5倍と借入依存度は低位にあることから、運転資金程度の調達は可能と判断する。
[文章2]
回収は現金100%に対して、支払いは現金50%、手形50%であるが、回収サイトは最長60日と長いため、サイトバランスは支払いが先行している。
また、未成工事支出金など棚卸資産が月商の1.5カ月分程度あるため、月商の2カ月分程度の運転資金需要が発生しており、必要時には金融機関からの借入によって資金操作している。
※ 1:株式会社帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/
※ 2:株式会社天公システム
http://www.pkutech.co.jp/(閲覧日:2020年6月2日)
※ 3:三菱総合研究所ニュースリリース「数表から文章を自動作成するAI技術を北京大学と共同開発」(2019年5月27日)
※ 4:ある程度の定性部分も出力することは可能であるが、時事や時流の分析が必要な文章は、事象を学習時にデータとして取り込むことができないので、出力される内容はもっともらしいが真実ではない。
※ 5:海外製品の日本語マニュアルに時々見られる、読む前から一見して文法がおかしい、係り受けが間違っているようなものとは品質が格段に異なる。
※ 6:GPT-2を使用したText Synth(http://textsynth.org/)のように文章を生成するAIはある。文章の自然さは優れているとの評価がされているが、今回のように入力されたデータに対しての正しさを求めることはできないため、少なくとも今回の業務で使用できるものではない。
※ 7:データを投入していない場合でも滑らかな表現となっており、中には妥当な表現も存在した。投入データに対する出力文章を検証することが目的であるため、妥当であっても、そのような文章を評価するのは適切ではなかった。
※ 8:観点1、観点2それぞれにフォーカスしてモデルを作成したが、学習時の文章には1文の中に複数の観点が含まれていることがあるため、出力の可能性がある4つの観点について評価を実施している。4つ目の観点について欠損が多くなっているのは上記の理由による。
※ 9:「支払いは現金100%60日、回収は現金100%30日となっているが、回収先行のサイトバランスとなっている。」のように、“が”でつなぐ必要はない。このように、一見問題ないが、読んでゆくと不自然なケースがあった。
※10:通常、作業の割合としてはこちらのほうが大きい。「泥臭い」というとネガティブなイメージになるが、この作業を通じてデータの内容や性質に関する知見が得られるので、「データを入れるだけで答えが出る」ようなツールは泥臭い作業をした後のデータが投入されることを暗喩していると信じている。
※11:Universal Sentence Encoderを用いた類似度など機械的な指標は、目安にはなるが評価として依存することはできない。長い文章で内容がほとんど一緒だが、最後だけ「である」「でない」という違いがあった場合、人であれば内容が逆であることが分かるが、機械的に評価すると高得点となるケースがある。
※12:本検証では学習時に用意した、数値データに対応する文章と同一のものを出力することが目的ではなく、数値データからから出力された文章の内容の適正さを評価することが目的であるため。