当社は、V-tecの活用領域として、3つのバース(場)と5つの利用形態を提唱しています※1。
このコラムでは、3つのバースの1つ「パーソナルバース」のメインコンテンツである「デジタルヒューマン」の技術動向を報告します。後段でも述べますが、デジタルヒューマンは3つのバース全般での活用が期待され、普及した際の効果が非常に高い技術です。
デジタルヒューマンは、AIやCG技術を用いて、ヒトのような外見をもち、対話・感情表現などのコミュニケーションを再現した技術です。ピークが近い技術と想定されており※2、市場規模は世界全体で約70兆円にも及ぶと期待※3されています。
デジタルヒューマンの特長は、AI・CGベースの仮想的なエージェント(アバターなど)であり、ヒトにとってしみやすいコミュニケーションが可能なことにあります。いつでもどこでもどれだけでも、欲しい機能や役割に応じて、コミュニケーションができます。エージェントとコミュニケーションするヒトの側も心理的・認知的に受け入れやすく、パーソナライズ化が進む現代社会と非常に親和性が高い技術といえます。
このような特長を活かして、コミュニケーションが求められるさまざまな分野で、すでに活用が進展しています。例えば、情報提供系のデジタルヒューマンは円滑な会話力を活かして、アナウンサーや受付・窓口の担当者として活躍しています。インフルエンサー系のデジタルヒューマンは、SNS上でヒトの代わりに活動するバーチャルモデルや企業のブランドモデルが知られています。
その他にも、アパレルなどの分野でマネキン代わりに利用される試着系のデジタルヒューマン、ゲームキャラクターなどの用途で利用されるNPC(Non Player Character)系のデジタルヒューマン、実在の人物や故人を再現してコミュニケーションを行うライフログ系のデジタルヒューマンなどの活用事例があります。