オブジェクト関連: 2D表現の場合、オブジェクトの外形や位置関係などは象徴化(抽象化)して表現し、配置しなければなりません。一方、メタバースでは、リアルな物体の場合と同様の外形、位置関係を保ったままで配置することが可能です。
なお、視聴型ではバーチャル空間が表示されるのは視野の一部ですので、ユーザーの身体感覚と独立に視野の拡大や縮小が可能ですが、没入型アクセスの場合は全視野がバーチャル空間になりますので、自身の身体感覚と同期します。
エージェント関連: 自身とアバターとの関係性、身体動作ともに、2D表現と視聴型3D空間に大差はありませんが、没入型ではより直接的なものになります。感情表現という点では、2D表現が抽象的(ピクトグラム的)であるのに対し、視聴型ではエモート(感情表現)機能により、ある程度の喜怒哀楽が表現できます。没入型の場合、リアルな感情表現との類似性がより高まります。
われわれがモノを認識する際には該当する情報を脳内で再構成する必要があります。これに必要な変換は2D表現では2段階(3D化+スケール変換)、視聴型3D空間では1段階(スケール変換)となります。没入型3D空間では変換不要ですので、リアルな環境とのシームレスな融合が可能です。
エージェントへの自己投影のイメージで言えば、2D表現がボードゲーム的であるのに対し、視聴型3D空間では人形劇的、没入型3D空間では舞台演劇の演技者的であると言えます。