高度なAIを搭載し、優れた動作機能までを備えた「AI・ロボット」。SF作品で描かれたようなロボット技術が実用化すれば、私たちの暮らしをますます便利にしてくれるでしょう。ただしロボットの誤動作や意図しない動きは物的・人的被害に直結するため、適切な安全対策が不可欠です。第3回では、運動量と運用条件に基づき6つの物理被害リスククラスを設定し、対応する自律動作のレベルを整理するとともに、社会実装に向けた課題を検討します。
※1:ハルシネーション:生成AIが幻覚(Hallucination)を見ているかのように、事実に基づかない情報をあたかも事実であるかのように生成する現象。
※2:ディープニューラルネット:ディープニューラルネットワーク(DNN)。脳の神経回路にヒントを得て作られたニューラルネットを多段階に重ねた構造を持つ。現在のAIの主流。
※3:ティーチング過程の簡易化:生成AIの言語変換機能(翻訳機能)を使うことで、日常語(自然言語)から専門のプログラム言語に変換できる。ダイレクトティーチング(人が直接ロボットアームを動かすことで、ロボットの動作を設定)と併せて、ロボットの動作のプログラミングの簡易化が可能となる。
※4:バーチャル空間などを活用したテストベッド:さまざまな環境をバーチャルに再現し、その空間を使ってロボットの動作確認や動きの微調整等を行うというもの。さまざまな環境条件を設定できるため、自動運転車の開発などでも活用されている。