市橋 洋基
モビリティ・通信事業本部 次世代テクノロジーグループ
新卒入社
Career Path
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理学部物理学科 卒業
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理学院宇宙理学専攻 修了
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三菱総研 入社/科学・安全事業本部に配属
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モビリティ・通信事業本部に組織改称
現在の仕事内容について教えて下さい。
先端技術の社会実装を支援する
我が国には、社会に実装されることで国民の多くが利益を享受できるにもかかわらず、実装が実現されていない先端技術が無数に存在しています。その背景には、制度整備が進んでいないことや国民の理解が得られていないことなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。私が所属するモビリティ・通信事業本部は、宇宙・海洋・航空といった人類のフロンティア領域の先端技術を対象として、実装の妨げとなっている要因の特定や関係するステークホルダーとの調整など、日本社会への実装の支援を行っています。
航空分野のフロンティア領域の例として、2025年の大阪関西万博を皮切りに、都市部や地方部での人やモノの輸送のための新たな手段として「空飛ぶクルマ」の活用が検討されています。現在、私はその実現に向けた制度面の支援として、米国や欧州など空飛ぶクルマの実現に向けて先行している諸外国での制度整備や実証等の動向を調査し、日本における制度や要件のあり方について研究を行っています。
どのようなところに仕事のやりがいや難しさを感じますか。
「調整」の難しさを実感
新しい技術の実装において、関係する全ての組織から簡単に賛同が得られるわけではありません。本国で既に使われているシステムに対して何らかの影響がある場合、ステークホルダーと綿密な調整を行う必要があります。この「調整」こそ、仕事の難しい部分であると同時に、最もやりがいを感じる部分です。
新しい衛星サービスを日本に導入する業務に携わったことがあります。その際に調整の難しさを実感しました。導入予定の衛星システムが、既存システムに対して時に悪影響を引き起こす可能性があったため、既存システムを運用する事業者からの反発がありました。懸念解消のため、シミュレーションに基づく技術的な検討結果や導入に係る社会的な意義などを説明するとともに、交渉の手段やタイミングなどさまざまな要因を考慮しつつ綿密な調整を行った末、合意に達したときは大きな達成感を味わいました。
三菱総合研究所に入社を決めた理由は何ですか。
社会課題に対して、真摯に向き合っていた
社員の仕事に対する熱意や誠意に魅力を感じたからです。私はインターンシップ等の企業イベントに参加しなかったので、三菱総研の社員の方と接する機会は面接に限られていました。面接を通じて多種多様な社員と話す中で、日本に山積している社会課題の解決に向けて、三菱総研として何をすべきかを真剣に考えながら仕事をしていると感じました。
特に、ある方と人類の生存・活動圏の拡張を目的とした宇宙の利活用ビジネスの推進についての話をした際、現時点の技術レベルのままでは実現は困難と考えられる構想に対して、「解決するためにどうしようか」と、ポジティブに取り組んでいる姿が強く印象に残ると共に、同じ現場で働きたいと思うようになりました。
三菱総合研究所の企業価値を、どのような点で感じますか。
幅広い知見を生かして、プロジェクトを推進する
大規模な事業であるほど単一の事業者のみで完結することはなく、「産」「官」「学」といった多種多様なステークホルダーと協働する必要があります。各組織における事業の位置付けが異なる中、一枚岩となって事業を協働することは一筋縄ではいかないため、足並みや方向性をそろえることは非常に重要です。各界への幅広い知見やネットワーク等を活用し、全体の意思疎通を実現しながらプロジェクトを推進する力は、他企業にはない三菱総研の企業価値だと考えています。
これまで携わった多くのプロジェクトを振り返っても、事業目的等に関する共通認識の醸成などにおいて、三菱総研の企業価値が発揮されている機会が多いと感じます。しかし、調整力に基づく企業価値は旧来より三菱総研が培ってきたものですが、激変する現代社会においてそれだけでは不十分であり、新しい企業価値の創出が必要であると考えています。
今後どのような仕事に挑戦したいですか。
未解決課題に、新しい視座を
科学技術の発展に伴い、人々の生活は飛躍的に豊かになりました。一方で、月・火星旅行や深海都市、空飛ぶクルマの実現など、人類のフロンティア領域に対する欲望は尽きません。人類の欲望というだけでなく、フロンティア領域が人々の生活に融合されることは、人々の生活をより豊かにし、未解決の社会課題に対する新しい視座を与えるきっかけとなると考えています。実際、無重力環境である国際宇宙ステーション向けに開発された技術が地上の技術に応用された例もあります。これからも社会課題の解決を担う企業の一員として、現時点では夢物語であると考えられている最先端の技術や構想を、社会に実装する仕事に挑戦したいと考えています。
仕事での主な1日の流れを、具体的に教えて下さい。
- 業務開始後は、週間スケジュールの確認・更新と日割りのアクションリストを作成します。多くのプロジェクトを並行して遂行するため、業務の優先順位付けが重要です。その後、メール確認や調査・分析、資料作成を行います。午後は会議が予定されていることが多いため、手を動かす作業は午前中に行うことが多いです。
- お昼休憩です。自宅でのテレワーク中心の生活に移行してからは自炊が増えましたが、出社した際は同僚と近くの飲食店で昼食をとることもあります。
- 午後はお客様との打ち合わせや、事業関係者が集まり議論を行う委員会等に出席します。合間にメールの返信や電話に対応しますが、会議では自身の調査結果や分析結果を説明する機会も多く、準備には手を抜けません。
- 会議がひと段落するため、夕食をとります。これ以降は外部からの連絡も少なくなるため、調査や分析、資料作成などの作業に集中できます。また、直接業務に関わらない研究会や自社研究等の作業も進めます。
- 繁忙期には深夜まで作業を行うこともありますが、普段は20時頃に業務を終了します。
Off Scene
趣味/オフの過ごし方を教えて下さい。
モビリティ・通信事業本部は海外出張の機会が多いことが特徴です。業務の合間に出張先の観光スポットを巡ることが楽しみとなっています。さまざまな国を訪れるたびに、食文化や街並みなどの違いを感じることができ、良いリフレッシュになります。