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PROJECT STORY 03
デジタル通貨×地域活性化
デジタルの力で、「地域のつながり」を生み出す
デジタル地域通貨を活用した地域経済の活性化

INTRODUCTION

全国的な人口減少・高齢化社会の深刻化や財政の悪化、都市・生活サービスの維持や働き手の確保と生産性の向上、地域・社会の持続性の確保など、地域の抱える課題はますます深刻化・複雑化しています。これらの課題は行政や企業単体で解決することはできません。一人ひとりが自身の豊かさと地域の持続性を考えながら行動し、地域でのつながりを形成しながら解決に向けて取り組んでいくことが有効です。

三菱総研では、地域づくりにつながる行動を促進するために<イマとミライをつなぐ地域通貨「Region Ring®」(地域課題解決型デジタル地域通貨サービス)>を展開。ブロックチェーン技術を活用し、地域にとって安心・安全なプラットフォームを構築しています。また、三菱総研の地域創生・地域課題解決に向けた調査・コンサルティング経験を踏まえ、地域特性に合わせた事業・運営スキームの検討段階から関与しています。

MEMBER

早川 玲理
地域イノベーション本部
部長
2006年 入社
新領域創成科学研究科 環境学専攻 修了
中島 聡
DX技術本部
2018年 入社
理工学研究科 開放環境科学専攻 修了

MEMBER’S VOICE

QUESTION 01

取り組んでいるテーマやプロジェクトについて教えてください

デジタル地域通貨サービスを活用し
地域にとってのSocial Goodな活動を促進する

三菱総研は、研究提言・調査・コンサルティングといったいわゆるシンクタンクらしい事業領域だけでなく、近年では社会実装までを手がけることで、社会課題解決に直接的に貢献しています。

私自身も社会実装を担う領域を担当しており、自社で地域課題解決型デジタル地域通貨サービス「Region Ring」を開発し、地域通貨・ポイントやナッジなどのインセンティブを与えることで個人の行動変容を促す仕掛けを、自治体や地域に関わるさまざまな企業に提供しています。

具体的には東京の大手町・丸の内・有楽町エリアを対象に、エリアの就業者・来街者のSDGs活動を促進する「SDGsポイント事業(大丸有SDGs ACT5)」や、自治体をお客様とする地域の消費・経済を活性化する「デジタル商品券事業」などを通じ、「地域課題解決および地域活性化」を目指しています。

私も「大丸有SDGs ACT5」の企画・運営を行っています。早川さんと同じく、個人の行動変容を促す仕掛けとして「Region Ring」のポイント機能などを活用したSDGsアクション促進実証および効果検証を行っています。

QUESTION 02

自身の役割について教えてください

事業推進者として、全体のマネジメントを担当

Region Ring事業を推進する地域DX事業部の部長を務めています。新事業・サービス開発においては市場調査や営業、システム開発・運用、実証、効果検証、サービス改善、本導入、パートナー探索といった一連のプロセスがあります。私は事業推進者として全体をマネジメントしています。

Region Ring事業において、データ分析・データ活用推進業務を担当しています。「大丸有SDGs ACT5」では、アプリを通じて蓄積された利用者の行動履歴データ、アンケートなどの意向データをもとに、利用者のウェルビーイングや地域社会の豊かさを促進するような行動変容を促す施策・サービス提供につながるデータ分析・活用企画を行いました。

QUESTION 03

他部門との連携について教えてください

蓄積された豊富なアイデアを活用する

デジタル地域通貨サービスは、個人の消費活動、環境配慮、健康増進、ボランティアなど「Social Good」なアクションの創出を目的としています。まちづくり、サステナビリティ、ヘルスケアなど多岐にわたる分野に適用していくため、それぞれを専門とする部署との連携が有効です。

専門性という観点以外にも、ビッグデータの解析・マーケティングを得意とする部署、システムの開発・運用の部署など、多岐にわたるセクションと連携しながら推進します。関連する法令への対応やリスク対応も付随することが多く、コーポレート部門との連携も欠かせません。

私は地域DX事業部とDX技術本部を兼務しています。本プロジェクトを進めるにあたって、双方の連携は必要不可欠です。

地域DX事業部は、地域活性化に関わる事業企画・推進の豊富な経験と知見を有しています。プロジェクト推進にあたっては、地域DX事業部のメンバーとの打ち合わせを通じて検証すべき仮説をともにリストアップし、整理していきます。DX技術本部では仮説検証に対応する分析手法を検討し、データ分析の設計や検証に必要なデータ項目の整理などを行います。

双方が連携しそれぞれのミッションを果たすことで、通常のコンサルティング案件よりもスピーディーな仮説検証サイクルを実現しています。

QUESTION 04

どのような部分にやりがいを感じましたか

実証からサービス提供まで、一貫して関与できる

地域、ひいては社会全体の課題解決と向き合い、サービス提供という形で直接的にコミットできる点にやりがいを感じます。

もともと私は、まちづくり・地域創生分野の調査およびコンサルティングを専門としていました。レポートや助言という形でお客様の役に立てることにやりがいを感じていましたが、それらの実行には関わることができず、もどかしい気持ちになる場面が多くありました。

現在ではお客様と議論を重ねながら、実証からサービス提供まで一貫して関わっています。効果やインパクトを実感できるので、今までにない達成感を味わっています。

サービス提供者として、PDCAを回せる点がやりがいだと思います。通常のコンサルティング案件では、精緻な分析に基づいた施策提言を行っても、クライアントの状勢・条件に合わず実施に至らないことがあります。

本プロジェクトでもさまざまな制約はありますが、自社の事業として自ら判断し、社会課題解決という目的に照らし合わせながら主体的に取り組むことができるので、充実度が高いです。

QUESTION 05

どのような部分に困難を感じましたか

多くのハードルを着実に乗り越えていく

どんなに役に立つサービスであっても、実際にユーザーや店舗の方々に参加していただくのは簡単なことではありません。例えば、ユーザーがアプリを利用するためには「アプリの認知」にはじまり「ダウンロード」、そして「アカウント登録」といったさまざまなハードルや手間が存在します。加えて、デジタルに慣れていない方々も使うサービスのため、その部分の課題も多いです。店舗の方々に対して、サービスの有用性や安全性、利便性など、丁寧に説明をしながら着実に巻き込んでいくことが大切だと考えています。

分析観点では、次々と発生する多数の検証項目を短期間で検証することが難しいと感じます。実際に事業を進めながら分析を行うため、当初想定していなかった成功体験や失敗体験が蓄積されます。追加の施策や検証項目は事業の進行に応じて多数発生するため、限られたリソース・時間の中でどのように仮説設計し分析を行うか、データ分析にかかる時間の見積もりも含めた優先順位付けや調整には苦労しました。

QUESTION 06

プロジェクトの社会的意義・三菱総研の提供価値はどのような部分にありますか

「解決」を導くメインプレーヤー

単にシステムを提供するだけでなく、従来の研究・調査で得られた知見を総動員しながら、導入までの現実的なロードマップを描いたり持続可能な推進体制を構築したりする部分に、三菱総研ならではの提供価値があると考えます。

地域・社会課題が複雑化している中で、行政や企業の施策に頼るだけでなく、個人一人ひとりの関わりが何より重要です。Region Ringを通じて、人々の日常生活の「Social Good」な活動を後押しするきっかけを提供し、活動の輪を広げていくことができればと思っています。

私が入社した頃の三菱総研は調査研究に基づくレポーティングやコンサルティングがメインで、実際に「解決」する立場ではありませんでしたが、現在では「解決」を導くメインプレーヤーとしての役割を果たしています。本プロジェクトにおいても同様です。日本を代表するシンクタンクとして、これまで蓄えた知見をRegion Ringを通じて社会に還元しています。サービス提供を通じて得られた独自のデータに基づき、知見をブラッシュアップして発信していくことができる点からも、非常に意義あるプロジェクトだと考えています。

QUESTION 07

プロジェクトの今後の展望を教えてください

地域の人々にとって欠かせない存在へ

Region Ring事業はこれまで、地域通貨やポイントなどの実証を繰り返しながら地域の課題解決につながるサービスの姿を模索してきました。これからは実証から本導入、継続的な実装への動きを加速し、より多くの地域での導入を目指していきます。

地域の課題が日々複雑化していく中で、サービスをつくって終わりではなく、常にアップデートしていく必要性も感じています。得られたデータを活用し、効果を確認しながら、個人のアクションがさらに創発される仕掛けを研究、社会に実装していきたいです。

本プロジェクトを通じて、Region Ringで個人の行動変容を引き起こせることが確認できました。今後は行動変容の仕掛けをブラッシュアップしていくとともに、ロジックの幅を広げていきたいです。そして大丸有エリアにとどまらず、さまざまな地域でデータを活用した課題解決が実現できるよう、サービスに磨きをかけていきたいと考えています。

※本記事の内容は取材当時のものです

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