IMD(国際経営開発研究所:International Institute for Management Development)が作成する「世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook)」の2021年版が6月17日に公表された。連載第1回の今回は、同年鑑の内容に基づき、各国の競争力の現状と推移、日本の競争力の現状を概観する※1。
※1:同年鑑の2020年版の解説はIMD「世界競争力年鑑2020」からみる日本の競争力 第1回:日本の総合順位は30位から34位に下落を参照。
※2:参考データは、競争力順位の算出には用いられないが、競争力をみる上で参考となる。なお、参考データの類似統計が多くの場合統計データとして採用されており、重複は避けられている。
※3:統計データ、アンケートデータ内では各項目のウエートは全て同一である。アンケートは各国の経営層が、自国のみの状況を評価する形をとる。
※4:小分類項目である「科学インフラ」は、R&Dや特許関連の19個の統計データと3個のアンケートデータからなる。
※5:例えば競争力順位の構成要素であるアンケート項目からは、ビジネスニーズに合った教育や熟練労働力やデジタル技術者の厚みなどの課題も認識されている。この点については第2回連載を参照。
※:長期にわたり日本の弱点分野に(改善の傾向がみえない)ことは、弱点を構成する項目が相互に補完的であり、部分的な改善が見込めないことが一因と考えられる。この点については第2回連載を参照。