※1:緑肥とは、栽培された植物そのものを肥料の一種として利用する手法。土壌環境の改善や化学肥料の代替となるなど複数の効果が見込まれる。
※2:硝化抑制剤は、窒素肥料が土壌中で分解(硝化)され、N2Oに変換されるプロセスを抑制するために投与される。
※3:生物的硝化抑制強化品種は、作物自身が硝化抑制を促進するよう品種改良されたもの。
※4:中干期間延長は、水田での栽培中に水を抜いて干す(中干し)期間を延長することで、通常の湛水田において発生するメタンの量を抑制する手法。
※5:不耕起栽培は、通常行う作付け前の土壌の反転・攪拌を行わない農法のことで、土壌中の有機物の分解およびCO2の生成を抑制する。
※6:バイオ炭は、炭や竹炭など、燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物で、難分解性であるため土壌中に長期にわたり炭素を貯留することが可能となる。
※7:技術によっては、異なるGHG間で排出削減と増加の両方に寄与しうるものもある。例えば、植物残渣のすき込みは、土壌中への炭素貯蓄効果はあるものの植物体に含まれる窒素成分が土壌中での分解を通してN2Oとして排出されるため、緑肥等のように化学肥料投入の代替として用いられない場合、N2O排出量増加に寄与する。
※8:各品目の単位重量当たりGHG排出量はPoore & Nemecek (2018) “Reducing food’s environmental impacts through producers and consumers,” vol 360-6392, Scienceから引用。トウモロコシに関しては、不耕起栽培による炭素貯留効果を0.5[t-CO2/ha]、緑肥投入による化学肥料削減効果のみを試算の対象としその割合を3割として、またバイオ炭は黒炭を150[t/ha]施用するとして試算(なお、バイオ炭の製造・輸送に伴うGHG排出は試算に含まれない)。牛肉に関しては、げっぷメタン発酵抑制飼料としてカシューナッツ殻液を用い排出量を38%削減したと仮定し、排泄物管理に関しては、処理方法を堆積発酵から強制発酵へ変更したと仮定し、試算した。