※1:日本経済新聞(2023年3月14日)「輸入小麦の価格抑制続く 4月改定、13.1%上げを5.8%に」。
https://www.nikkei.com/
※2:小麦の単位面積当たりの収穫量(収量・単収)は、10a(0.1ha)当たりおおむね350kg~550kgとされる。仮に同500kgとすると100万トンの収穫に必要な農地面積は20万haと試算される。
※3:図表1および本段落での数字は、あくまでも理論上の試算値である。個別の詳細な数字は実績値と完全に整合しているわけではなく、全体像を大きく把握するためのものであると理解されたい。
※4:6,000億円÷600万トン=100円/kg。したがって、現在333円/kgの小麦粉が500円/kgになれば、理論上小麦の自給率は100%を達成することができる。ただし、当社としては現段階で「だから自給率は維持できる」とか「だから小麦粉の価格をあげよ」ということを主張したいのではない。食料自給率の維持・向上と国民負担・その拡大には相反した関係性があり、具体的な費用対効果について、国民の共通理解が重要だ——というメッセージだと理解して頂きたい。
※5:500kg/10aで仮定すると600万トン生産に必要な農地は120万ha。ただし、国民負担の増加により、現状500万トンの輸入を国内生産に切り替えることにより、100万haの農地が追加的に保全できる、というのはあくまでも理論上の話である。この実現に向けて、どこから100万haを調達するのか。どこから耕作してくれる経営体を連れてくるのか(10万経営体においてそれぞれ10haの生産増、ないしは1万経営体で100haの生産増を実現する必要がある)。そんな余裕のある農地も経営体も、現状の日本国内には存在しない。そもそもコメと異なり、小麦は全国どこでも生産できる、という作物ではない。連作障害もあるため、全国合計でも数十万トン単位での増産をはかることは、一朝一夕にできることではないだろう。(一方でコメであれば、体感的には全国で数十万、100万トン単位での増産は可能だろう。コメ余りの問題は、一方では、農業生産の冗長性として食料安全保障を担保している一面があるということも、付言しておきたい。)