マンスリーレビュー

2021年5月号

MRIマンスリーレビュー2021年5月号

2025年大阪・関西万博─新産業創出のプラットフォーム

執行役員 中村 秀治
維新前夜、徳川幕府が派遣したパリ万博使節団は、欧州の文明と産業を学び持ち帰った。明治の殖産興業、近代国家への出発点である。

そこから1世紀、2つの大戦による興亡を経て、アジアで初の1970年日本万国博覧会(大阪万博)。わが国の高度経済成長のクライマックスを飾り、50年後の夢の未来社会を描き出した。

続く半世紀、意に反して先進諸国も日本も停滞の時代を体験した。工業経済の爛熟が地球資源・環境の限界という新たな課題を表面化させる一方、東西冷戦終了と新興国の台頭が世界経済の地図を塗り替える。

21世紀はインターネット、デジタル技術を原動力とするポスト工業社会。量から質へ、消費から持続性へと座標軸が変わり、競争から調和が重視される時代を迎えた。地球環境を保護し、誰一人取り残さない世界がゴールとなる。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。100億人・100歳時代に向け、課題解決先進国、健康長寿先進国の日本をアピールする機会にもなる。参加各国・地域と協調し、斬新な解決策と事業を共創する転換点としたい。
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