マンスリーレビュー

2024年3月号

MRIマンスリーレビュー2024年3月号

企業が動かすエシカル消費

執行役員 園山 実
風光る散歩道に春の訪れを感じる。新芽さながら、体温ある経済や新しい資本主義への期待が膨らむ。政府、企業、個人による活動の連鎖が不可欠となる中、対策の重心は、個人行動の変革へと移りつつある。

生成AI時代を迎え、個人行動をサポートする情報の在り方が多くの分野で問われ始めた。言うは易しの「バイアスのかからないフラットな情報」をどう認(したため)るか。災害時など判断に迷う場面では、正確な事実だけでなく、他者の経験や予測を踏まえた行動指針が役に立つ。情報過多の時代、その峻別も課題だ。 

適切な行動につながる判断材料を誰もが受け取れることは、資本主義社会が健全であり続ける要諦である。そして、次世代のウェルビーイングをも左右する。

当社は、省エネ行動や防災・避難行動、予防医療などの分野で、個人が行動を変える手がかりを示してきた。そのための情報の提供は創業来のテーマだ。

紙媒体で12年半続けてきた本誌はウェブマガジン「MRIオピニオン」へと生まれ変わる。最大の理由は環境配慮であり、エシカル消費を最終号のテーマとすることにも「宿命」を感じる。社員がこれまでの「紙面」に込めた「社会課題解決」への思いに心を重ね、読者の皆様への感謝と敬意を表し、最後の巻頭言を結びたい。
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